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[コラム]弾劾控えたセヌリ党議員に

登録:2016-12-07 22:18 修正:2016-12-08 06:18
7日夜、ソウル汝矣島(ヨイド)のセヌリ党党舎前で市民がセヌリ党の解体と朴槿恵大統領の弾劾を求め、ろうそくを掲げている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 セヌリ党改革の成功可否を計る第一の試金石は、朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾だ。 圧倒的票差で可決されれば、真の保守政党として新たに出直すためのセヌリ党革新作業がはずみをつけるだろうが、否決されたり僅かな票差で可決されれば党内の守旧既得権勢力が再び頭をもたげて荒々しく抵抗するだろう。

 明日になれば朴槿恵大統領の政治生命は事実上終わる。国会で弾劾が可決されれば直ちに職務が停止され、否決されれば一層不幸な方式で引きずり降ろされるだろう。憲法裁判所の決定に一縷の望みをつないで最後まで持ちこたえるとは言ったが、ろうそく集会の民心が黙って放ってはおかないだろう。300人以上のとても元気な命が、冷たい海中で死んでいきつつある時、1時間以上も髪を整えていたという、人間であることさえ放棄した人をどうして国の大統領と認められるだろうか。大統領としての朴槿恵に対して言及することも、もはやあまりなさそうだ。

 今や関心は、いわゆる保守政党のセヌリ党に集中している。セヌリ党には批判的な方だが、それでもセヌリ党が健全な保守政党として存立することを心から望んできた。政治が正しくなされるには、進歩改革政党だけでなく保守政党も自らの役割を果たして生産的な競争をすることが必要なためだ。だが、セヌリ党は真の意味の保守政党というよりは、日帝附逆者と軍事独裁の後えい、そして財閥と利益を共有する勢力が主流をなした守旧既得権政党の姿から抜け出すことができなかった。極右的な理念と嶺南(ヨンナム)中心の地域主義まで一層深まり、セヌリ党は民主主義を退行させ、南北関係を破綻させ、国民経済をつぶすだけの徒輩政党になってしまった。

 軍事独裁の元祖である朴正煕(パク・チョンヒ)の娘である朴槿恵が、大統領になってからセヌリ党は一層壊れた。4・13総選挙を通じていわゆる親朴系の人々が大挙合流したことによって、セヌリ党は事実上朴大統領を擁護する“朴槿恵私党”に転落した。最近朴槿恵の護衛武士を自任するイ・ジョンヒョン代表をはじめとする党指導部の動きを見れば、その図々しさに見る人がかえって恥ずかしくなるほどだ。それでも口角泡を飛ばして朴槿恵を擁護する姿を見ていると、親朴系の寿命も朴槿恵の没落と共に皆終わろうとしていることを実感する。

 セヌリ党としては、このように奈落の底まで落ちた今こそが真の保守政党として出直す絶好の機会だと考える。これまで保守政党という仮面に隠れていたセヌリ党の醜悪な姿が赤裸々にあらわれ、セヌリ党を朴槿恵私党に導いた面々も一つひとつ確認されている。その核心はいわゆる「親朴九人会」と呼ばれるソ・チョンウォン、イ・ジョンヒョン、チェ・ギョンファン、ホン・ムンジョン、ユン・サンヒョン議員らだ。セヌリ党を真の保守政党に改革しようとするならば、清算しなければならない積弊と人物が具体的にあらわれたわけだ。

 セヌリ党を真の保守政党に改革しようとする動きは着実に続いてきた。期待を持って見守ってきたが、残念ながらいつも失敗した。最近もナム・ギョンピル京畿道知事とキム・ヨンテ議員などが離党し、セヌリ党の革新を要求している。ユ・スンミン議員らは党内に残って党改革を進めている。朴大統領弾劾以後、これらの人々が力を合わせてセヌリ党を健全な保守政党にするための作業に本格的に着手しなければならないだろう。 その過程で党が分裂したり完全に解体されることもありうる。だが、その位の陣痛なしには、健全な保守政党として生まれ変わることはできない。

 大統領府と親朴指導部の絶え間ない妨害と誘惑があるだろう。党が分裂すれば目前に迫った大統領選挙で政権を野党に献納することになるとなだめすかして、党指導部は非朴系に向かって出ていくなら出て行けと脅すかもしれない。一寸の譲歩もない激しい権力抗争が起きるだろう。それは避けられない戦いだ。

チョン・ソック編集人//ハンギョレ新聞社

 その渦中に、親朴であれ非朴であれ肝に銘じることが一つある。次の政権も握るという未練を捨て切れず、保守改革を適当にごまかすことはやめようということだ。セヌリ党は朴大統領が想像を超越する国政壟断をしている間、知らないふりををして目を瞑り、自分たちの実利を取りまとめてきた事実上の共犯だ。国民は朴槿恵国政壟断を見て、セヌリ党も完全に見捨てた。セヌリ党が再び政権を握るためには、過去のように適当に化粧直しを施すことで国民を欺こうとすれば、今回の大統領選挙だけでなく今後かなりの期間にわたって執権が不可能になるということを分からなければならない。

 セヌリ党改革の成功の可否を計る第一の試金石は、朴大統領の弾劾だ。 圧倒的票差で可決されれば真の保守政党として出直すためのセヌリ党の革新作業がはずみをつけるだろうが、否決されたり僅かな票差で可決されれば党内の守旧既得権勢力が再び頭をもたげて荒々しく抵抗するだろう。選択はセヌリ党議員にかかっている。

チョン・ソック編集者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/773694.html 韓国語原文入力:2016-12-07 18:13
訳J.S(2169字)

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