朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する国会の弾劾訴追案発議が秒読みに入った。共に民主党のウ・サンホ院内代表は24日「早ければ12月2日、遅くとも12月9日には国会本会議で弾劾案が票決されるようにする」と明らかにした。
焦眉の関心事は弾劾案が無難に国会で可決されるかだ。朴大統領の退陣を望む沸き立つ民意を鑑みると、弾劾案は圧倒的な票差で可決されるのが常識である。セヌリ党のキム・ムソン前代表が弾劾に賛成票を投じる与党議員から「確約署名」を受けているという話も伝わっている。しかし状況は決して容易には見えない。
セヌリ党のイ・ジョンヒョン代表はこの日「キリストを売り飛ばしたユダになってくれというということなのか」と、弾劾反対の意思を明確にした。いまだに朴大統領を「キリスト」と考えているのかとあきれるが、朴シンパの突撃部隊の破廉恥ぶりと非常識は想像を絶している。弾劾の票決になれば予想できない結束力を発揮しかねない。さらに現状では単に弾劾案の可決定足数を満たすだけでは充分ではない。憲法裁判所の誤った判断を防ぐためにも圧倒的な票差で弾劾案を通過させねばならない。
政界内部の「弾劾協調」を越えて、「国民との協調」も必須である。野党と非朴系は「弾劾共同案」を用意する策を検討しているというが、さらに踏み込んで市民社会団体の意見を聞くプロセスもぜひ経るべきである。朴大統領を弾劾の審判にかけるまでになったのは政界の功績ではなく、国民の力によるものであることを忘れてはならない。弾劾案は、検察が起訴状で指摘した大統領の違法行為だけを含めるか、第三者供賄罪など起訴状からもれている部分まで含めるかなど、細かい部分まで公論の場で活発に議論する必要がある。
弾劾案可決後の政治日程にもあらかじめ備えるべきである。国政空白の長期化に対する国民の不安を軽減するためにも朴大統領の職務が停止してからの政治日程を最大限予測可能にする必要がある。特にファン・ギョアン首相が大統領の権限代行を担う状況を放任するのか深い熟考が必要だ。弾劾案の発議で朴大統領と国会はもう一歩も退けない正面対決をすることになった。野党をはじめとする政界がキャンドルの民意を水の泡にする事が決してないことを望みたい。
韓国語原文入力:2016-11-24 18:03