登録 : 2016.04.22 00:32 修正 : 2016.04.22 06:33

 10日ほど前、個人的に非常に興味深い海外メディアの記事を見つけた。軍事専門誌の『ネイビータイムズ』が、中国の南シナ海における人工島の建設と軍事基地化の推進への対応をめぐり、米国国内で対立があると報じた記事だった。

 目を引いた部分は、昨年10月に米海軍の駆逐艦ラッセン号による南シナ海への航行だった。ラッセン号が中国の南シナ海における人工島の12海里(22キロメートル)以内に進入したのは、実は「無害通航権」の条件に合わせた航海ということだった。意表を突かれたような気がした。当時ラッセン号の航海を分析しながら、中国に対する米国の「武力誇示」と書いたことを思い出した。

 無害通航と「武力誇示」は、概念の前提そのものが異なる。無害通航権は沿岸国の平和と安全を損なわずに、迅速に領海を通過できる権利だ。これは、戦艦を含むすべての国の船舶に認められている通航権だ。ただし、戦艦は防空網や射撃装置などを起動してはならない。したがって、ラッセン号が無害通航をしたなら、武力誇示とは程遠い。

 特に、無害通航は相手国の領有権を認めることを前提にする。ラッセン号が無害通航をしたなら、米国が明示的にではなくても、中国の領有権を事実上黙認したことになる。これに比べ、武力誇示を行ったなら、米国が中国の領有権主張を認めないことになる。

 大多数の米国のマスコミも当時は武力誇示と書いたから、全く言い訳が立たないわけではない。しかし、数日後、もっと恥ずかしい出来事があった。ワシントンに駐在する日本の記者に会って『ネイビータイムズ』記事を見せてあげた。内心では「私が見つけた記事だ」という多少のうぬぼれもあった。

 その日本の記者は、記事に目を通してから、「ラッセン号の南シナ海への進入直後、米国と中国当局の両方を取材し、この内容を知っていた」と話した。中国が当時、米国政府を強く批判していなかったかと反問すると、その記者は「中国国内向けの発言だった」と断定した。中国もラッセン号が無害通航を行う事実を事前に知っていたという。

 日本の記者たちに比べ、米国と中国政府の核心部へのアクセスが容易ではない現実は仕方がないとしても、もっとじっくり、そしてもっと多様な要因を幅広く検討すべきだったと、その日、反省文を書いた。

 中国の人工島の建設に対する批判的な世論が米国内で高まり、オバマ政権は何らかの措置を取らざるを得ない立場だった。しかし、第2期オバマ政権には必要以上に中国との緊張を高めないという基本的な基調があった。国内外の世論を鎮静化すると共に、中国との関係を維持しようとする折衷案が、ラッセン号の「無害通航」として表れたのだ。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員//ハンギョレ新聞社
 また、ウクライナ事態以降、米政府は公然とロシアを「第1の敵」と想定している。このような状況で、中国との関係が悪化し、中国とロシアが連合するような事態は、米国政府にとってかなりの負担になる。米国の対外政策面でも中国との関係を適切に管理する必要性があったものと思われる。

 もちろん、長期的な観点から、米中間の勢力戦の可能性は否定できない。両国とも、長期的なリスクに備える戦略の一環として、軍事競争を繰り広げている現実を知らないわけでもない。しかし、過度の還元論は目の前で繰り広げられる短期の流れを逃してしまう危険性を有する。例えば、米中共に短期的には現状維持の欲求が強ければ、北朝鮮問題は対立ではなく妥協を図る方に、解決ではなく管理していく方に傾く可能性が高い。状況を広く、長く、多様な観点から見渡すのは、難しい宿題を抱えているかのように、いつでも力に余るものだ。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-04-21 19:39

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/740781.html訳H.J

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