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[社説]“THAAD怪談”捜査するならセヌリ党議員から

登録:2016-02-19 08:02 修正:2016-02-19 08:14
京都府北端にある京丹後市経ヶ岬に設置されている米軍のXバンドレーダー(AN/TPY2)基地全景。レーダーは北朝鮮のミサイルの動きを捉えるため海岸側の北方に向かって設置されている。レーダーは濃い緑色の建物の裏側に設置されている=キル・ユンヒョン特派員//ハンギョレ新聞社

 セヌリ党がサード(<THAAD>高高度防衛ミサイル)配備にともなう電磁波の憂慮などを“怪談”と決めつけ、「容共次元の捜査」の必要性を提起しだした。同党のキム・ジョンフン政策委議長は18日、「天安(チョナン)艦の時のようなサード怪談と悪性デマが再び幅きかす兆しがある」と軍当局と警察に厳正な捜査と処罰を求めた。セヌリ党がなにかにつけ怪談話を持ち出すのは、一度や二度ではないが、今回のサード怪談ばかりは、とてもそんな次元とは比較もできず呆れ返ってしまう。

 まず、サード配備候補地に選ばれる大邱(テグ)、慶尚北道などセヌリ党議員の選挙区にサードがくるのを、ありったけの力で反対したことを考えれば、サード怪談論は自己矛盾と二律背反の極みだ。大邱・慶尚北道地域のセヌリ党議員が反対する理由は、言うまでもなくサードから出される電磁波などで地方区住民が危険に露出することを憂慮したからだ。要するにサード怪談の流布者を探し出すなら、遠くに行かずともマスコミのインタビューを通して「サードは電磁波のために大都市人口密集地域に配備するのは困る」などと話したセヌリ党議員を呼んで調査すればすむ。

 サードの送受信素子2万5000個から吹きだされる極超短波は、周辺の航空機と車両などの電子装置を無力化するほど強力だ。このため米陸軍教範はサードの危険半径を5.5キロメートルに定め、出入りを厳格に統制するよう規定している。にもかからわらず18日に開かれたセヌリ党と政府の安保状況点検緊急党政調会議で、ハン・ミング国防部長官は「サードの電磁波はそれほど心配する事案ではない」と述べ、セヌリ党のキム・ソンチャン国防政調委員長も「サードの電磁波と騒音は人体と環境に大きな影響はないことが確認された」と述べていた。国民の安全を最優先すべき政府与党が、米陸軍教範の内容まで否定してサードは何の危険もないと話しているのだから驚くほかない。このような根拠もない「サード無危険論」こそ厳しく取り締まらなければならない悪性デマであり怪談だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-18 19:54

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/731066.html 訳Y.B

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