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[社説]南北関係の大きな枠組み変える努力を本格化すべき

登録:2015-05-02 08:29 修正:2015-05-22 08:48
2011年12月の金正日国防委員長死去で北朝鮮を訪問した李姫鎬女史が金委員長の死体が安置された錦繻山記念宮殿で弔問した後、金正恩第1国防委員長と会っている。統一部/朝鮮中央テレビキャプチャー //ハンギョレ新聞社

 今月9日にモスクワで開かれる第2次大戦勝利70周年記念式を舞台にした高位級南北接触の機会が失敗に終わった。金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国防委員会第1委員長の不参加が確認されたうえ、北側高位級要人が参加する可能性も低いためだ。米国と日本の同盟が強化される状況で、南北関係の緊張を緩和すべき必要性が高まっているので余計に残念だ。政府はこの懸案と関わりなく、南北関係改善の努力のレベルを高めるよう願いたい。

 金正恩委員長の不参加理由についてロシア側は「北朝鮮の内部問題と関連したこと」と明らかにした。だが、目につくほどの北側内部の変動はない。むしろ両国の争点に関連し双方の調整で問題があったものと考えられる。ロシアの対北朝鮮支援や金委員長に対する儀式上の配慮などが、それに該当する。金委員長の不参加は、北朝鮮の国際的イメージを改善し南北関係を改善させる機会を逃したという点で誤りだ。これに先立ち朴槿恵(パク・クネ)大統領が早々と不参加を通知したのも生半可な対応だった。

 政府は1日、南北民間交流を活性化し対北朝鮮人道的支援と協力の幅を広げると明らかにした。文化、歴史、体育などの分野では当局次元の共同事業も推進する予定だ。こうした方案は肯定的だ。だが、南北関係は行き詰っているので顕著な成果を生むには限界がある。政府措置が光復(解放)70周年など、イベント中心の短期目標を狙う点にも問題がある。今は南北関係の大きな方向を定めるべき時だ。漸進的な交流・協力活性化も重要だが、政府の明らかな意志が込められた骨太の行動が必要だ。近く予定されたイ・ヒホ金大中(キム・デジュン)平和センター理事長の北朝鮮訪問の機会もうまく活用しなければならない。

 北側は硬直した態度から抜け出し、対話の席に出てこなければならない。最近北側当局は、4月24日に終了した韓米合同演習キーリゾルブとフォール・イーグルだけでなく、他の軍事訓練や北朝鮮人権決議案、対北朝鮮ビラ散布などをすべて対話の障害物として取り上げ論じた。南北関係が改善されてこそ議論できる懸案を前提条件にしては、対話がなされない。開城(ケソン)工業団地の賃金問題でも、北側は一方的な態度を守る。北朝鮮は世界が自国をどう見ているのか直視することを望む。

 今、東アジアでは米国・日本と中国・ロシアが対立する構図が固定化する兆しを見せている。その口実になるのが南北の対立だ。南北が先に動かない限りこの構図を変えるのは容易でない。何より韓国政府の意志と行動が重要だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-01 18:37

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/689421.html 訳Y.B

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