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[社説]優先順位も分からない朴大統領の外交

登録:2015-04-20 08:07 修正:2015-04-20 08:14
中南米歴訪中の朴槿恵大統領が18日午後(現地時間)、2番目訪問国ペルーのリマ、ホルヘ ・チャベス国際空港に到着し専用機から降りている //ハンギョレ新聞社

 セウォル号惨事1周年の16日、最長期間となる9泊12日の日程でコロンビア、ペルー、チリ、ブラジルの4カ国歴訪に出た朴槿恵(パク・クネ)大統領は首脳外交の真っ最中にある。大統領が飛行機でほぼ一日かけやっと到着できる南米まで訪問し、国益のため献身していることをとやかく言うつもりはないが、この日程が私たちが直面する外交優先順位に適うものなのか深刻に検討してみる必要がある。

 セウォル号惨事1周年と「ソンワンジョン問題」の渦中にある国内政治的要因を見誤った無神経な訪問日程という非難は別にして、今の韓国を取り巻く外交環境が、大統領が10日以上も南米で時間を過ごすほど暇であるのか疑問が残る。

 まず大統領の南米歴訪が、時期が重なる19~23日にインドネシアで開かれるアジア・アフリカ会議(バンドン会議) 60周年記念行事よりどれほど重要なのか分からない。バンドン会議は米国と旧ソ連の両陣営に入るのを拒否したアジア・アフリカの開発途上国が集まり声を出そうと考えた非同盟会議の母胎とし、国際社会に大きな足跡を残した。今回の記念行事に中国の習近平主席、日本の安倍晋三首相、北朝鮮のキム・ヨンナム最高人民会議議長が参加することからしても、その比重と意味が推し量れる。しかも安倍首相はこの場で歴史認識と関連した演説をする予定だといわれ、韓国が外交の門外漢であるファン・ウヨ教育副首相を特使として派遣するのはあまりにも緊張感が足りない。

 また、今は安倍首相の4月末の訪米を控え、米国主導で韓米日三角同盟を強化しようとする動きが活発な時期だ。16~17日(現地時間)に米国ワシントンでは韓米日外務次官級協議と3カ国の国防次官補級が参加した安保協議(DTT)が相次いで開かれた。主に米日同盟の強化の流れに韓国をどう引き込むかを主題にした性格の会合といえる。

 南米歴訪はすでに始まってしまったことだが、重要で頭の痛い問題を避け、容易で輝くことばかり選んで行われる首脳外交では、国益を守ることなどできないということを思い知るべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-19 18:42

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/687456.html 訳Y.B

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