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[社説] 明確な反対意思でTHAAD問題を終わらせるべきだ

登録:2015-03-28 09:11 修正:2015-03-28 09:18

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)参加問題が一段落し、高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備問題が本格的に議論されそうだ。4月中旬までに米国合同参謀議長と国防省長官の訪韓、韓米統合国防協議体高位級会議の開催の日程が続くのも、この問題が背景にある。政府ははっきりした拒否意向を明らかにし、THAAD問題をこれ以上大きくさせないようにすべきだ。

 一部で論じられている「インフラ銀行参加とTHAAD配備同時受け入れ論」は不甲斐ない議論だ。中国が要求するインフラ銀行への参加を受け入れたのだから、米国が推進するTHAAD配備も受け入れるべきだと言うのだが、国家懸案を扱う姿勢としては無原則かつ危険極まりない。政府も「THAADとインフラ銀行は別件」と線を引いている。だが、政府・与党内にはこうした〝取り引き”を好む者が少なくない。国際情勢と安保効率性を緻密に考えることもなく、安易に米国に依存しようとする者たちだ。彼らの声が消えようとしないのは、はっきりしない姿勢をとり続ける政府の責任も大きい。

 27日の韓米合同参謀議長会合でTHAAD問題は公式の議題として扱われなかった。米国としては効果的に議論できる機会を探しているのだろう。すでに非公式の協議がなされているのかもしれない。韓米日の三角ミサイル防御(MD)協力強化を強調する米国の立場は一貫している。米国はTHAAD配備がそのための良い手段であることを隠そうとせず、韓国が推進する韓国型ミサイル防御体系(KAMD)もその枠に組み込まれることを望む。THAAD配備を北朝鮮のミサイル脅威だけを念頭にした主張は、今までの米国の態度を見ても根拠が脆弱だ。中国とロシアもそれを熟知しているからTHAAD配備に反対しているのだ。

 ミサイル防御の効率性は米国の中でも絶えず議論になっている。最近になり米陸軍参謀総長と海軍参謀総長の問題提起で、国防省が既存計画の全面再検討に入ったという。二人の総長はMD体系の前線配備の代わりに、敵ミサイル統制システムやミサイル自体を電子とサイバー武器などで対応する戦略も提案している。結局、米国は効果が疑わしい武器であるTHAADを、深刻な国際的対立を押し切ってでも無理に配備しようとしていると考えざるを得ない。ここには途方もない開発費用を同盟国である韓国に分担させようとする意図も透けて見える。

 THAADは国益に何の役に立たない。さらに北朝鮮核問題を解決する努力にも大きな障害となる。政府の決断が必要な時だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.03.27 18:38

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/684344.html 訳Y.B

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