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[社説]許せない「イスラム国」の蛮行

登録:2015-01-26 10:11 修正:2015-01-26 13:32

 イスラム教スンニ派の過激派が作った「イスラム国」(IS)の人質にされた日本人2人のうち1人が果たして殺害された。72時間内に2億ドルを払わなければ殺すと脅迫するビデオがインターネットに公開されて実行されたものだ。自分たちの政治的目的を達成するために罪のない人の命を奪うのはいかなる理由でも許されない蛮行である。イスラム国は現在存命中の人質を直ちに釈放するよう訴えたい。

 人質のうちの1人の後藤健二氏は24日夜に公開された動画で亡くなった湯川遥菜氏の写真を持って現れ、自分の解放の代価の代わりにヨルダンに捕えられている女性の組織員の釈放を求める新しい条件を提示した。イスラム国はこの映像で、安倍晋三首相が自分たちの警告を深刻に受け止めずに72時間以内に動かなかったために「安倍が湯川を殺害した」として後藤氏を生かすためにはこの条件を履行しろと警告している。

 イスラム国のこのような行為は国際社会に対する日本の影響力と地位を利用して自分たちに対する圧力の一線に亀裂を起こそうとする戦術とみられる。しかしこのような非人道的で残虐な行為はむしろイスラム国に対する憤りを招くだけである。しかも日本は米国や一部の西欧国家とは違って軍事活動に加担していない。安倍首相が今月中旬の中東訪問の過程でイスラム国対策として2億ドルを支援することにしたことを口実にした逆恨みと見られるが、人道的分野の支援という点から見てとんでもないウサ晴らしといえよう。

 今回の事件が一層衝撃的なのはイスラム国の問題が西側だけでなく、まさに我々の足下にまで押し寄せていることを実感させられるためだ。イスラム国にこのほど自ら“入国”したと推定されるキム君の件でも、一部キリスト教団体のイスラム地域に対する無分別な布教活動は我が国(韓国)の市民が日本人よりイスラム国の標的になる可能性がより高い可能性があるということを示している。韓国政府は今回の事件を機にテロ防止のための国際協力に積極的に参加すると共に、国民保護にいっそう努めるべきであろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/25 18:42

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/675109.html 訳T.W(999字)

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