「8月10日 <午前> 山梨県鳴沢村の別荘で過ごす。<午後> 12時46分 山梨県富士川口湖町のイタリア料理店「リチェッタ」、母親の洋子さんや秘書官と食事。2時3分 別荘。午後6時34分、山梨県の中国料理店「湖宮」。友人と食事。8時59分、別荘」「8月11日 <午前> 別荘で過ごす。<午後> 2時59分 東京富ヶ谷の自宅。5時58分、衆院第一議員会館。歯科診療室で治療。6時48分、東京四谷の焼き肉店「龍月園」。時事通信の加藤清隆解説委員、政治ジャーナリストの末延吉正、高橋洋一・元内閣参事官と食事。9時14分、自宅」
朝日新聞4面に掲載された安倍晋三日本総理の10日(日)・11日(月)の動静だ。総理がいつどこで誰と何をしたのか、実名で分単位まで開示されている。母親と食事、歯科治療、数人のマスコミ幹部との食事などが全て公開対象だ。「総理の一日」は日本の主要日刊紙に毎日載っており、共同通信と時事通信の担当記者が直接観察した事実と首相官邸が明らかにした内容を基に作成されている。
セウォル号が沈んだ4月16日「朴槿恵の消えた7時間」の真相は徹底的に糾明されなければならない。その後、生きて帰って来たセウォル号の乗客がただの一人もいないからだ。しかし、今まで青瓦台(大統領府)・セヌリ党が明らかにした内容は辻褄が合わず、かえって疑惑を膨らませている。国会セウォル号国政調査特別委員会のセヌリ党幹事であるチョ・ウォンジン議員は、チョン・ホソン青瓦台第一付属室長を聴聞会に呼ぼうとの野党の要求に「大統領の私生活を話すということではないか」(7月30日)と言ったが「大統領は起床してから就寝するまでが勤務時間であり、私生活というものはない」(8月13日)と言葉を変えた。イ・ワング セヌリ党院内代表は「大統領の一挙手一投足は国家安保に関わる問題」(8月1日)と言った。総理の動静を分単位で明らかにする日本の新聞、バラク・オバマ米大統領の動静を5分単位で公開するホワイトハウスは何か?
チョ・ウォンジン議員は、セウォル号沈沒当日の午前10時に行われた最初の報告以後、午後5時15分に大統領が中央災害安全対策本部に現われるまで、計18回の報告が行われたと13日話した(当初、青瓦台が国会に明らかにした「書面・有線報告24回」と相反する)。内容を聞いてみればさらにおかしい。大統領が報告を受けて指示をしたのは午前10時15分と10時30分の二回だけだ。その後は無反応だ。対策会議もなかった。こんな風にして304人の命がかかった6時間45分が、大統領の沈黙の中で空しく流れた。奇怪だ。そして大統領はその日の午後5時15分に中央災害安全対策本部を訪れ「生徒たちがライフジャケットを着ているというのに、彼らを発見したり救助することがそんなに難しいのか」と尋ねた。とんでもない。
キム・ギチュン秘書室長など青瓦台側はその「7時間」の間、「大統領は (青瓦台)構内にいらっしゃった」という言葉だけを繰り返している。それがどうしたというのか?重要なのは、国政の最高責任者である大統領がどこにいたかではなく、どのように対応したかだ。国民304人が水葬される絶体絶命の瞬間に、大統領がしなければならない他の重大事とは一体何か? 青瓦台の参謀たちがいつ何をどの様に報告したのか、それによって大統領はどう判断して、何をどのようにしなさいと指示したのか、必ず明かされなければならない理由だ。それでこそ、責任の所在を正確に切り分けて大惨事の再発を防止できる。世間に飛び交うきまりの悪い噂に興味はない。大韓民国国民には「7時間の真実」を知る権利があり、大統領と青瓦台には明らかにする義務がある。
イ・ジェフン社会政策部長 nomad@hani.co.kr