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[社説] 日本が略奪した文化財の返還運動はじっくり続けよう

登録:2014-08-01 10:23 修正:2014-08-02 06:22

 市民団体<文化財チェチャリチャッキ(本来の場所に戻すこと)>代表のへムン僧侶が、東京国立博物館を相手取り小倉コレクションの返還を要求する訴訟を起こす計画だという。

 小倉コレクションは略奪文化財還収運動が起きる度に最も多く言及されるもので、日帝強制占領期(訳注・日本植民地時代)に大邱(テグ)で南鮮電気の社長をしていた小倉武之助が盗掘された考古遺物や古美術品を購入し日本に送った品々だ。この中には、明成皇后を殺害した日本人が皇后の住居であった乾清宮から収集した十二角床なども含まれているという。朝鮮国の母を凄惨に殺害し、それでも足りずに文化財まで略奪して行ったのだから、痛恨の歴史が血で汚された品々だ。

 しかし、これは氷山の一角にすぎない。日本は韓国を強制的に占領した時期に、我々の文化財をなんと6万点略奪した。公式に確認されたものだけでもそうで、個人的に持ち去ったものまで含めれば20万点に及ぶと推定されている。

 ところで日本政府がこのような文化財をこっそりと隠していることがこれまでの裁判の過程で明らかになった。日本のある市民団体が起した訴訟で、日本外務省は「市民団体が公開を要求した文書には、これまで韓国政府に提示していない文化財の目録が含まれている。これを公開した場合、韓国が返還を要求しかねない」と述べた。韓国政府が文化財を返還しろと主張するからと「流入経路が分からない」と知らぬ振りで通していた日本政府が、実はすべての情況を把握していたわけだ。これはあたかも泥棒が「私が何を盗んだかばれると持ち主が返せと言うので明らかにすることはできない」と言うのと変わらない。

 ユネスコ協約によれば不法に取得した文化財は元の所有者に返還しなければならない。特に文書には、韓国の文化財入手の経緯、目録の作成場所や時期、取得原因、取得額が全て載っているという。韓国政府は、日本政府が略奪文化財の返還要求を避けるために目録を隠していた事実を自ら認めただけに、その内容を把握できる各種の資料と記録の公開を強く求め、返還のために積極的に働きかけるべきだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/649293.html 韓国語原文入力:2014/07/31 18:28
訳T.W(997字)

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