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[社説] 北との無人機共同調査は無視するしかないのか

登録:2014-04-16 01:25 修正:2014-04-16 07:20

 北朝鮮が14日‘小型無人機墜落事件’を共同で調査しようと提案したことについて、大統領府が直ちに拒否意思を明らかにした。共同調査の提案を南に対する宣伝戦略と見て相手にすまいという態度だ。しかし状況をもう少し真摯に見る必要がある。南北が一緒に事件の真相究明に乗り出せば、真実により迫る事もでき、互いに接触する過程で、悪化の一路を辿っている南北の梗塞状態を打ち破るチャンスとすることもできる。北朝鮮の提案を放り捨てるばかりではならないと考える。

 北朝鮮の共同調査提案が政府の分析どおり心理戦である可能性は十分にある。しかし提案の形と内容から詮索してみれば、それなりの意義はあるように見える。北朝鮮は韓国政府の無人機調査結果に対し、14日に二度も公式機構を通じて積極的に反応してきた。特に北朝鮮の最高権力機構である国防委員会が発表に直接反論して共同調査を提案したことは注目に値する。

 北朝鮮はまた、真相調査の南側代表にキム・ジャンス大統領府安保室長を指名して "南北関係を悪化させる障害物を除去する意思があるなら、公式席上に出てきて問題解決に堂々と臨め" と述べた。共同調査の相手を具体的に指名したことを考えれば、北の提案を単純な宣伝攻勢としてだけ見るのは難しい要素がある。それでも大統領府は "犯罪被疑者が犯罪捜査の証拠を調査することはない" として一刀のもとに拒否した。利口な対応とはいい難い。

 実際、今回の無人機事件は北朝鮮の仕業であることを立証する明白な証拠が新たに出てこない限り、疑問を残したまま謎に終わる可能性が高い。 国防部は11日、無人機事件の中間調査結果を発表し、状況証拠だけを示して直接証拠は提示できなかった。 国防部は無人機に内蔵されたGPS(衛星利用測位システム)の復帰座標が壊れることを危惧して解読することができずにいると話したのだから、GPSを解読すれば事件を解決する決定的証拠になりうる。北朝鮮も調査に参加してGPS解読を共同で行えば、事件は案外すっきり整理されることもありうるはずだ。

 さらに、無人機事件の共同調査を契機にして南と北が互いの接点を拡げれば、それ自体が南北の行き詰まりを緩和して対話の門を開く役割も果たしうる。北朝鮮は天安艦事件の際も南に共同調査を提案したことがある。その際に南が北の提案を断らずに調査に参加させたとすれば、その後に広がった南北間及び南内部の膨大な非生産的あつれきを源泉から緩和できたかもしれない。悪材料は対応しだいでいくらでも好材料に変えることができる。政府は北朝鮮の無人機事件の共同調査提案を今からでも真剣に検討してみる必要があると考える。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/632870.html 韓国語原文入力:2014/04/15 21:42
訳T.W(1224字)

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