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[社説] 無人機は不安を煽るのでは無く隠蔽責任を問うべき

登録:2014-04-09 17:44 修正:2014-04-10 07:11

 北朝鮮が仕掛けたと見られる小型無人機をめぐる騒ぎが続いている。それでなくとも危険要素が潜在している朝鮮半島・東北アジア情勢が、さらに不安になるかと心配される。

 朴槿恵大統領は7日、大統領府首席秘書官会議で‘最近相次いだ北朝鮮のミサイル発射と追加核実験可能性による威嚇、西海岸の北方境界線(NLL)南側に対する砲撃’と共に無人機に言及して‘大勢の国民の不安が高まっている’と話した。これは思慮に欠ける発言だ。国防部が確認したように、小型無人機は北朝鮮が情報力不足を補おうと偵察用に開発した初歩的レベルの飛行体だ。これをミサイル発射や核実験威嚇と同等に言うのは国民の不安をあおる対応だ。朴大統領は合わせて、‘無人機が我が国の前方(韓国北部)を偵察したと見られる’と話したが、今までに発見された無人機が少数である点を考慮すれば、これもまた行き過ぎだ。

 朴大統領は、「軍当局が(無人機)に関連する事実を全く把握できていなかったことは防空網および地上偵察体系に問題があるということだ」とも話した。これに同調してキム・クァンジン国防長官はこの日、全軍の主要指揮官会議を開いて‘現存戦力で、監視・探知・識別および打撃に至るまでの対備態勢を強化するよう’指示した。これまで国防部が‘小型無人機の識別は難しい’と説明していたこととは異なるものだ。これまではできることを、せずにいたということなのか気になる。‘小さな飛行体を探知できるシステムを早期に配置することが重要’という国防部の発言も、技術レベルを考えない空論のように見える。

 無人機事件に対応する過程で最も大きな問題は、政府が初期に北朝鮮とは関係ないかのように隠ぺいしようとしたことと、次には無人機威嚇を誇張したことだ。朴大統領は隠ぺいについては一言も言及せずに‘無人機不安’を広げることに身を乗り出している。政府の明らかな誤りは隠し、世論の流れはとんでもないところに持っていこうとするものだ。これは対北朝鮮政策の方向を歪曲して、朝鮮半島の情勢を悪化させかねないという点からも問題がある。朴大統領はこの日‘北朝鮮が(無人機で)偵察を強化していることを深刻に考えるべきだ’と強調した。大統領の話の通り、無人機が核・ミサイル問題並みに重要な事案ならば、対北朝鮮政策の焦点もそれに合わせて変えるべきだ。

 無人機問題は、当初北朝鮮が韓-米軍事訓練に対抗して西海岸の北方境界線付近を砲撃する過程で付随的な事案として注目された。北朝鮮の無人機技術が大きく発展すれば威嚇にもなり得るだろうが、それは今ではない。それなのに無人機不安をあおるのなら、他意があるものと疑われても仕方が無い。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/631591.html 韓国語原文入力:2014/04/07 21:56
訳T.W(1231字)

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