アン・チョルス議員の新政治連合創党推進委と民主党が3日、共同新党推進団を構成するなど本格的な創党作業に入った。従来から憂慮されていただけに、両者の内部反発は目立っていないものの、創党へ向かう道程にはあちこちに伏兵が存在していそうで、安泰とは断言できないところだ。
統合新党の最初の課題は、分配、主導権、派閥などの単語で表わされる現実的な問題をどのようにうまく乗り越えて行くかだ。早くも‘5対5精神’をめぐって両者の解釈がくい違いを見せるなど、すでに微妙な神経戦もうかがわせている。盧 元大統領のシンパか否かなど、民主党内の既成派閥にアン・チョルス議員勢力まで加わることによって新党の内部力学がはるかに複雑に展開する可能性も考えられる。
このような問題を解決する基本は、両者ともにオープンマインドで臨むことだ。実際、新党は統合の大義である新政治の実現のためにも旧態依然の姿を見せてはならないしだいだ。それでもささいな分配問題などで揺れた場合、国民的な非難を免れ難い。民主党は既得権を引っ込める態度を、新政治連合は成熟した控えめな態度を示さねばならない。むしろ両者が気を遣うべきことは、政党の組織形態や運営方式において既成政党とは違った斬新な姿を有権者に見せることだ。
政治綱領・政策もまた両者の政治綱領政策を適当に加減するような貼り合わせ的な方法ではいけない。現在の時代に合った課題が何か、国民の希望と念願が何なのかに対する深みのある省察と厳しい内部討論が先行すべきだ。民主党内には "新政治連合が民主党より右派であるだけに、新党の政治綱領政策が右クリックされる可能性がある" という心配が出ている。政治綱領・政策の問題はいわゆる民主党内の強硬派の位置づけとも関連した敏感な問題でもある。このような点から政治綱領・政策は内容だけでなくガラス張りの決定方式も重要だ。
結党手続きと事実上ほぼ同時進行される6・4地方選挙の公認問題も小さくない課題だ。特に新政治連合の候補として地方選挙に出ようとしていた者の去就問題が5対5分配問題などとかみ合わさって異音をあげる可能性もある。公認に当たっても崩せない原則は、最も競争力のある候補を選ぶことだ。適当に分け合うなどのやりとり式公認もまた有権者に背を向けられるだけだ。今回の機会に新政治の大義に合ったきちんとした公認方法の見本を示すべきだろう。
新党創党の成功条件は民主党のソル・フン新党推進団長の話にうまく集約されている。 "小異を捨てて大義のために大きく歩む" 。この言葉が決して口先だけにならないことを願いたい。