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[社説] これで朴大統領は満足ですか?

登録:2013-12-30 01:43 修正:2013-12-30 08:39

 2013年の一年は結局このように暮れていっている。零下の酷寒の中、街には死も覚悟した思いのさびしい風景が広がっている。10万人余りの労働者と、市民1万3000余人に対する警察の全面対決。‘クネ城壁’の車壁の向こうに鳴り響く政権退陣の声、国民の胸に希望の水どころか、あろうことか氷のように冷たい放水が浴びせられている状況下で朴槿恵大統領政権の初年度は幕を下ろそうとしている。

 過去1年間、国民の記憶の中に朴大統領が笑う姿はほとんど残っていない。大統領のにぎやかな笑いは派手なファッションを誇って外遊した時にすぎない。国民に対しては怒った顔しか思い出さない。目障りなものは全てたたきつぶして整理し、根絶やしにして清算し、懲らしめ容赦しないという断固たる意思表現の連続だった。大統領が怒った顔で治める国の民は疲れてつらい。

 零下3度の寒さにもかかわらず、市民がソウル広場に集まったのは、たんに鉄道民営化阻止に賛同するためだけではないはずだ。冬の寒さより厳しい政治に対する怒りと抵抗の表示と見られる。朴大統領が評価される大統領になるために、ぜひ避けるべきことは父親の後追いだった。しかし朴大統領は過去1年間、常に父親の後追いをし続けた。そして再び戻りたくないあの時あの時期、つまり鉄拳政治の嫌な歴史の中に国民を再び引ずり込んだ。ソウル広場に集まった市民の叫び声は朴大統領の常軌を逸した政治に対する怒りが臨界点に近づいていることを示している。

 国政運営を‘権力の腕自慢’と同義語と勘違いする政府は不幸だ。政治は決して手錠と警棒、催涙弾と放水で行うべきものではない。それは、大統領自ら思慮不足や自信喪失、リーダーシップの欠如を認めるものだ。物理力に依存する政府は強い政府ではなく、極めて弱い政府だ。考えが異なる国民を受け入れ、説得する根気、反対陣営に対してある面では厳しくまた別の面では受け入れる寛容とゆとりがあればこそ真の強い政府だ。

 強硬的な対応を通した事態の解決策は、問題の終わりでなく始まりにすぎない。政府が警察を動員して鉄道労組手配犯人を全員捕まえ、免職などのさまざまな脅し恫喝で労働者をひざまずかせるならば、それは治療ではなく傷に塩を塗る行為であり、あつれきは一層深刻化するだけだ。これで朴大統領自身は満足なのか。国民を力で押さえ込む政治が安定政権になれないことは歴史が雄弁に語っている。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/617447.html 韓国語原文入力:2013/12/29 19:06
訳T.W(1112字)

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