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[社説] 軽電鉄事業は公開の場で慎重論議を

登録:2013-07-27 08:57 修正:2013-07-27 12:49

 ソウル市が今後10年間で10路線の軽電鉄事業を推進することになった。2008年に樹立された新林・東北・面目・西部・牛耳など既存7路線に3つの新規路線を追加し、総延長89.21kmの軽電鉄を段階的に建設するということだ。費用は総額8兆5533億ウォンだが、このうち4兆3000億ウォンは民間事業者負担で国費1兆1723億ウォン、市費3兆550億ウォンが投入されるという。

 当初ソウル軽電鉄事業はオ・セフン前市長が2008年に確定したものだが、今回パク・ウォンスン市長が1年余りの検討の末に再推進を決めた。憂慮の恐れがあるのはこの事業が来年5月の地方選挙を控えて、また地域開発公約になって拙速に推進されないだろうかという点だ。ソウル市が24日に軽電鉄建設計画を発表するに際してソウルの一部地域では民主党側の人々が歓迎ののぼりを掲げたという。選挙を控えて地域嘆願解決の次元で事業が推進されるのではないかという疑念にかられる内容だ。

 軽電鉄事業はまだ国内に成功事例がない。施行中の龍仁・議政府や金海軽電鉄は需要調査を誤ったために民間業者の赤字補てんで〈税金を食べるカバ〉に転落した。金海軽電鉄の場合、交通需要を過度に膨らませたために金海市が破産を心配しなければならない状況という。金海市が今後20年間にわたり運営業者に補てんする金額が少なくとも2兆ウォンに達するという予測だ。

 ソウル市は今回、事業を再検討しながら妥当性を厳密に検証したとし、民間資本事業者の予測需要に比べて60~70%で需要を見積もったと明らかにした。それでも1km当たり一日1万人を越える乗客が利用すると見られ、経済的に妥当という説明だ。結局、カギは需要予測をどれくらい正確にするかということだが、客観的で徹底した検証が必要に見える。

 莫大な予算が投入される軽電鉄事業は慎重に慎重を期さなければならない。交通死角地帯にある庶民には軌道中心の公共交通体系が合理的で効率的な面もある。しかし拙速に推進してややもすると駅周辺の地価だけあおっておいて莫大な負担をソウル市民に負わせかねない。

 選挙を控えて追いたてられるように推進するものでもない。時間をかけて十分に公論しながら市民の意を汲まなければならない。必要ならば公聴会や討論会も開くべきだ。妥当性を検討した報告書などの関連資料を公開するなど透明で公正な手続きを踏んでいくことも大変重要だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/596954.html 韓国語原文入力:2013/07/24 21:56
訳T.W(1120字)

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