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地下鉄疎外地域住民 交通福祉か? 8兆ウォン土建事業か?

登録:2013-07-24 21:58 修正:2013-07-25 13:05
ソウル地下鉄混雑度 パリの154%
東北圏など鉄道脆弱地域は出勤地獄
"公共交通輸送分担率 64%→75%" に
需要過多予測にともなう‘赤字’憂慮に
"km当たり1万人が利用 経済妥当性ある"
26兆ウォン赤字 ソウル市、事業費も負担
パク・ウォンスン ソウル市長が24日午後、ソウル市庁記者室でソウルに軽電鉄8路線を新設すること等を含むソウル市都市鉄道総合発展方案を発表している。 キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr

 パク・ウォンスン ソウル市長が24日‘軽電鉄路線など10ヶの都市鉄道を新たに敷く’計画を出し、軽電鉄を巡る論議が再点火する様相だ。 大都市公共交通システムの代案として鉄道が有力なのは事実だが、京畿道龍仁(ヨンイン)と議政府(ウィジョンブ)などですでに軽電鉄は失敗した事業と判定が出た状況であるためだ。 国土交通部の承認と市民意見集約過程で陣痛が予想される。

■ソウルは鉄道脆弱都市

 ソウル市は物流費の上昇と環境破壊などを防ぐために大衆交通システムを鉄道中心に編成することが避けられないという点を軽電鉄推進の最大の理由に掲げている。

 ソウル市は2001年の2期地下鉄完工後、2009年7月金浦(キンポ)空港と新ノンヒョンを結ぶ9号線1段階区間が開通し、現在では総延長327.1kmの地下鉄網が構築されている。 一日の利用客が701万人に達し、ロンドンの321万人、パリの418万人に比べてはるかに多い。 だが、人口1万人当たりの長さは0.31kmに過ぎず、ロンドン(0.57km)とパリ(0.43km)に比べ不足している。 混雑度は平均154%に達する。

 また、既存の地下鉄網から疎外された東北、西北、西南圏の市民は、公共交通の利用に大きな困難を抱いている。 地上交通手段だけに頼った結果、出退勤の度に交通地獄を体験しているわけだ。

 市がこの日に出した計画により、全長441kmの‘緻密’な都市鉄道網が構築され、主要拠点間を素早く連結する広域鉄道網が完成されれば、現在は64%水準に過ぎない公共交通輸送分担率が75%まで上がると市は期待した。 軽電鉄の新設で18自治区、120の行政洞の市民310万人が都市鉄道の利用拡大にともなう恩恵を受けると見た。

 しかしパク市長が自身の‘反土建哲学’と衝突する土木事業の推進を明らかにしたことに対し、来年の地方選挙を控えて‘地域の軽電鉄建設要求と妥協した’という分析が一部から出ている。 今回の軽電鉄建設計画は事実上2008年オ・セフン当時ソウル市長が出した計画を一部修正して継承したものだ。 5年前の計画と比べてみれば、上岩洞(サンアムドン)DMC路線が廃止され、蘭谷(ナンゴク)線が追加された。

■大型土建事業 論難

 しかしソウル市の赤字が26兆ウォンに達している状況で、再び大型土建事業を展開することに対する憂慮は侮れない。 実際、今回の計画実現のために総額8兆5533億ウォンの事業費がかかるだろうと市は予想した。 半分程度は国家と市が負担して、残りは民間業者に押し付ける構造を描いている。

 この過程で何よりも需要予測と経済的妥当性を巡る論議はすでに熱い。 これに先立って金海(キメ)、龍仁(ヨンイン)、議政府(ウィジョンブ)の軽電鉄が過大需要予測で‘税金を食べるカバ’に転落した前例がある。 パク市長もこの日の記者説明会で「不良の塊りのような軽電鉄を何故やろうとするのかという話があることは知っている。 それで本当に妥当性があるか、科学的で正確な検証をするようにした」と強調した。

 実際、市は再検証で軽電鉄需要を民間事業者が提示した案より60~70%水準にまで下げた。 需要をこのように低くしてもなお地方都市とは異なり一日の利用者数がkm当たり1万人水準なので、経済的妥当性が確保されるということが市の説明だ。 しかし、龍仁と議政府軽電鉄の実際利用客が当初予測値の25~30%水準であることを考慮すれば、需要過多予測論難は火種として今後も残るものと見られる。

 クォン・オイン経実連国策事業監視チーム チーム長は 「政府が財政を投じて事業基盤を敷き、民間資本は自分の資本なしで事業を受注できる構造だ。 民間事業者の収益率を低くすれば市の財政支援が増えざるを得ない。 25兆ウォンに達するソウル市の債務構造がさらに悪化しかねない」と指摘した。

■実施までには課題山積

 市は、今回新設される軽電鉄の場合、利用料金を既存都市鉄道と同一に維持し、民間事業者が過度な利益を持っていけないようにすると約束した。 しかし、このようになれば反対に民間資本事業者の誘致が難しくなりうる。 2008年の最初の計画樹立後5年が過ぎたのに、牛耳(ウイ)線、新林(シルリム)線、東北線だけが事業者が指定されている状態で、唯一着工に入った牛耳線も施工者の資金難で工事が中断される事態を体験しなければならなかったためだ。 牛耳線は結局工事費の87%をソウル市が負担している。

 オ・スンノク ソウル市議会議員は「同一料金制を適用すれば赤字を財政で補てんしなければならない。 自然に民間企業等の参加は時差を置いて進行されるだろう。 民間企業等を誘引する方案を市が柔軟に考えなければならない」と話した。 キム・サンチョル労働党ソウル市党事務局長は 「問題は民間事業者自体が事業を放棄する場合だ。 すでに着工された事業をソウル市が抱え込まざるを得ない」と指摘した。

パク・キヨン記者 xeno@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/administration/597047.html 韓国語原文入力:2013/07/24 20:36
訳J.S(2422字)

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