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【キム・ジソク コラム】対決と強硬一辺倒の対北政策?

登録:2013-07-25 13:30 修正:2013-07-25 13:48
キム・ジソク論説委員

 開城(ケソン)工業団地に行ったことのある人は実感する。 北の地がどれほど近いかを。 開城工業団地は軍事境界線からわずか5km余りの距離だ。 ソウルからは60km、車で一時間だ。 北側は工団を作る際に開城地域に駐留していた2軍団の主力部隊と軍事基地を後方に移動させたという。 工団のホームページで明らかにしているように、開城工業団地は“韓半島の平和特区”だ。 開城工業団地が閉鎖されれば南北の未来が閉ざされてしまう。 その開城工業団地が瀕死状態にある。 南北当局の実務会談が重ねられているけれども、議論は空回りしている。 そこには北側と同じくらい南の政府にも責任がある。

 パク・クネ政府の対北政策はいまだに明確でない。 もちろんいくつかの特徴はあらわれている。 まずは徹底した対北不信だ。 パク大統領は先日報道機関論説室長招請昼食会で「今は基本的な信頼を積むのも困難な状況」と話した。 開城工業団地実務会談は昼間にだけ行なわれている。 パク大統領が交渉チームの安全のために「日が暮れてからは北側に留まるな」という指針を下したという。 2次会談以後、実務会談団長が電撃的に交替させられた。 北に対し断固とした態度で対抗できなかったことがその理由に挙げられている。

 二つ目には没歴史的な態度だ。 何よりも1998年の金剛山(クムガンサン)観光開始から2007年の10・4首脳宣言までのキム・デジュン、ノ・ムヒョン両政府10年を意図的に脱落させる。 リュ・ギルチェ統一部長官は最近「この60年間の長い分断と敵対の歳月を考えてみれば、南北関係が一朝にして良くなるということ自体が異常なこと」と発言した。 南北関係が極度に悪化したのはイ・ミョンバク政権以後だ。 にも拘らずイ・ミョンバク政権の是非には触れない。「長い分断と敵対の歳月」という言葉は我田引水の修辞だ。

 三つ目には、中国に対する過度の期待だ。 ユン・ビョンセ外交部長官は先日の寛勲(クァンフン)クラブ討論会で北・中関係と関連して「北が緩衝地帯として価値があるというよりは戦略的な負債になっているという過去の学者層一部の認識がいまでは中国の指導層にまで上がっている」と話した。 これまで北の側だった中国がもはや南の側とまでは行かないが中立に変わっているという意味だ。 こうした「中国役割論」はうまくいっていない南北関係を合理化する手段となる。 多くの政府関係者が、北側が対話攻勢をかけているのも中国の圧力のためと解釈している。

 現在のパク・クネ政府の対北政策を支持する勢力は大きく二つに分かれる。 一つは対決を好む冷戦勢力だ。 彼らは北は根本的に信じられない存在であるから対話は効果がなく、開城工業団地は早く閉鎖されるべきだと主張する。 彼らは以前の政権の時「アスファルト保守」(訳注:街頭に出てアスファルトの上で集会などをする保守勢力)として存在感を誇示し、新アカ論争である「従北左派論」を主導的にまき散らした。 2007年の南北首脳会談会議録を無断公開した“ナム・ジェジュン国家情報院”の言動は、彼らと一致する。 もう一つは、北を信じる訳には行かないが大変なことが起こらないようによく管理する必要はあるとみる保守勢力だ。 彼らは理念的というよりは現実的なので、状況によって強硬と対話の間で行ったり来たりする。

 イ・ミョンバク政府の対北政策は初めから対決・強硬を志向したものではなかった。 だが政権初期のロウソク集会以後“アスファルト保守”の側に傾き、南北関係は悪化の一路をたどった。 機会は何度もあった。 特に2009年のキム・デジュン前大統領弔問を契機に北側は執拗に対話を要求したが、イ・ミョンバク政権は拒否した。 その背景には、遠からず北側政権が崩壊するという北崩壊論があった。 北側は結局路線を切り替え、翌年天安(チョナン)艦・延坪島(ヨンピョンド)事件が起きた。

 パク・クネ政府も似た道を歩む兆しを見せている。 今の政策基調は対決と強硬の中間にまたがっている。 「時間は我々の側だ」というのが対北認識の基礎だ。 北側の政策基調は融通性に欠ける。 対話を要求する時は屈辱も甘受するが、対決局面では無謀に押し切る。 その過程で発生したのが開城工業団地の閉鎖だ。 北側は対話攻勢が効果なしと判断すれば背を向けるだろう。 特に8月には韓-米軍事訓練がある。

 パク大統領はイ・ミョンバク政府の失敗を他山の石としなければならない。 自ら言った通り、「開城工業団地問題は南北関係の試金石」だ。

キム・ジソク論説委員 jkim@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/596657.html 韓国語原文入力:2013/07/22 19:05
訳A.K(2030字)

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