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[社説] 南北閣僚級会議で包括的解決目指せ

登録:2013-06-07 00:33 修正:2013-06-07 06:51

 北韓の包括的南北当局者会談提案で南北関係が新しい局面に入った。北韓の昨日の対話提案は開城(ケソン)工業団地および金剛山(クムガンサン)観光の正常化をはじめとして離散家族再会など全面的な南北関係の復元に言及したという点から、行き詰っていた南北関係を進展させるチャンスになると見られる。南北対話とともに北韓-米国対話も何らかの形で再開される可能性が大きく、朝鮮半島は今や本格的な対話局面に入る見込みだ。

 北韓の提案は7~8日に予定された米-中首脳会談の一日前に出されたことから、先月24日のチェ・リョンヘ特使が習近平中国主席に会って金正恩労働党第1秘書の親書を伝達し、6者会談など関連諸国との対話を希望するというメッセージを明らかにしたことを行動に移したものと見ることができる。米-中首脳会談で習近平主席はバラク・オバマ米国大統領に北韓と対話することを当たり前のごとく注文するだろう。まずは今回の米-中首脳会談の結果により関連国の対話の時期や範囲が調整されるだろう。

 南北関係について考えてみれば、今回の対話提案は開城工業団地まで閉鎖の危機に追いやられるほど南北交流が皆無となった現局面を打開する絶好の機会だ。北韓は今回の提案を通じて5・24措置以前に戻り、全面的な交流協力と往来レベルの南北関係を希望したと見ることができる。しかしこの間、南北間の溝がひどく深くなったために1,2度の出会いで全面的な正常化がなされそうにはない。金剛山観光の問題だけでも永らく中断されたために実際の再開までには多くの難題がある。

 北韓が非核化問題について進展した立場を出さないことも限界だ。非核化問題が解決されないままでは朝鮮半島問題の全面的解決を期待することはできない。韓国と米国はもちろん、中国までも非核化問題に対して断固たる態度を示しているという点を北韓は肝に銘じるべきだ。朝鮮半島をめぐる交渉の終着点は北核問題の解決にならざるをえない。

 北韓の今回の提案が包括的であるだけに政府も南北関係を全面的に再構成するという次元で接近する必要がある。先ずは当局者が会って、絶たれたラインを回復し、交渉のたたき台を用意することが必要だ。交渉を進展させるためには実務次元で立ちまわるより長官級会談など閣僚級の担当者が会って開城工業団地と金剛山観光の正常化などの大きな原則に合意した後、個別の懸案を一つ一つ解決していく方法が望ましい。更にもう一歩歩み寄り、南北関係を単に5・24措置以前に戻すだけでなく、非核化と平和協定締結などの南北対峙を根源的に解消できる方法にまで南北当局が交渉の視野を広げることができるならばいっそう素晴らしい。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/590763.html 韓国語原文入力:2013/06/06 19:00
訳T.W(1221字)

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