南陽乳業波紋に続き、“押し込み”圧迫に苦しめられた酒類メーカーの代理店主が自ら命を絶った。 2・3日前に仁川(インチョン)では裵商冕酒家[Baesangmyun Brewery Co., Ltd] の代理店主が本社の製品押し売りと借金督促を恨む遺書を残して自殺したという。 どれほど絶望的な崖っぷちに追いやられていたのだろうか。自身の仕事場で生命を終える自営業者が続出しており、言葉を失う。 本社は押し込みの横暴はなかったと主張している。 だが同僚の話と情況から推し量れば、あまり売れない酒類を抱え込んでは流通期限が過ぎても返品処理をしてもらえず、ひどい苦痛を味わっていたに違いない。
押し込みは流通期限が短くて新製品発売の多い食品業界にとりわけよく見られるが、他の業種にも蔓延している。 化粧品業界も本社が代理店に売り上げを圧迫して押し込みを日常的に行なっており、それでも状況がちょっとはましだとされるデパートの化粧品販売社員が処遇改善を叫んで街頭に出ることもあった。 店主が注文してもいない物量を強引に店舗に送りつけた後、代金を請求するケースがありふれており、抗議すれば加盟店契約を解約すると脅迫に出るのが常だという。 自動車やタイヤ代理店も例外でなく、韓国GMの販売代理店では強制割当された物量を売ることができなければ補助金を削減し手数料を縮小するという本社の方針に抗議して出た。
乙の怒りが洪水のように溢れでて消費者も加勢しているけれども、いざ状況はと言えば別に改善されてはおらず、一層もどかしい。 南陽乳業本社が謝罪はしたが、被害代理店主の集まりに参加しようとする代理店主に不参加の圧力を加えるなど、甲の横暴は続いているという。 代理店に押し込んだ物量の返品を受けたり補償する計画もないというのだから、真正性を疑うほかはない。 南陽乳業は代理店主が注文した物品証拠資料を残さないために電算プログラムを操作したという疑いまで受けている。 他の業界からも、代理店が不公正取引を申告すれば不利益を与えると言って脅迫しているという話がしばしば聞こえてくる。 頭を下げる振りだけして夕立ちをいったん避けて見ようという心算ならば、代理店主を二回殺し、消費者を愚弄するものだ。
公取委は調査を拡大し申告センターを大幅に増やし積極的に対処しなければならない。 略奪にほかならない横暴が堂々とまかり通っているにもかかわらず、現実的制約のために制裁と措置を正しくできないというのでは困る。 甲の横暴は、公正取引法の関連法規が過度に包括的で処罰や制裁手段が不十分な土壌において深く根をおろした。 幸い政界で購入強制や販売目標などに対しては懲罰的損害賠償制を導入しようという「南陽乳業法」が議論されているが、来月の臨時国会で必ず法を作り、蔓延した不公正取引を正さなければならない。