本文に移動

[社説] 大統領のあやふや謝罪で幕引きできる事ではない

登録:2013-05-13 21:24 修正:2013-05-14 00:13

 朴槿恵大統領が昨日、ユン・チャンジュン前大統領府報道官のセクハラ スキャンダルに関連して国民に謝罪した。朴大統領は大統領府首席秘書官会議を主宰しながら 「今回の訪米日程の最後に公職者としてあってはならない、はしたないことが起きて国民の皆様に大きな失望をさせたことについて申し訳ないと考える」と話した。朴大統領はたとえ会議という発言形式を借りたにしても、国民に直接謝罪したのは就任後初めての事だ。

 朴大統領の謝罪はまず形式的に不十分だ。国の品格を大きく傷つけた前代未聞のセクハラ スキャンダル事件の影響を考えれば、朴大統領が国民と在外同胞の前に直接頭を下げて謝るべきだった。国民への談話であれ、記者会見であれ、丁重に礼を尽くす必要があった。参謀のことなのにあえて大統領が国民の前に出る必要があるかという誤った認識がこのような不明瞭な謝罪になって表れたわけだ。

 朴大統領の謝罪は事案の本質ともかけななれている。今回の事件は一次的に朴大統領の人事の誤りから始まった。誰が見ても非適格者であることが明らかな人物を大統領職引継ぎ委員会と大統領府報道官に抜てきした‘疎通なき人事’‘意地っ張り人事’が事件の根本原因だ。今機会に朴大統領は自身の人事の誤りについて、国民に対して犯した罪に処分を待つ心境で謝罪すべきだった。これまでの人事の問題点を綿密に再点検して、再びこのような水準の不十分な人事を繰り返さないという覚悟と原則も明らかにすべきだった。

 大統領府が事件の渦中で悪手で波紋を広げたことは、上司の命令に服従せよ式の朴大統領の国政運営スタイルが大きな役割をしている。大統領府の広報首席と秘書室長の謝罪に続き、3番目に大統領がためらっていた謝罪をしたのが端的な例だ。現在、大統領府の参謀の中には国民の前に直接出て謝るのが良いと朴大統領に直言する人はいないようだ。だからといって朴大統領が自ら直接国民の前に出ると決断する姿も見がたい。大統領は君臨し参謀はただ大統領の顔色を見ることに汲々としている。このような状態では躍動的なリーダーシップを期待し難い。

 朴大統領と大統領府が事故発生時の危機対応マニュアルでも整えて公職規律を確立すると、大げさに語るぐらいで事件を幕引きしようとしてはならない。首席広報の一人だけに責任を問うべきものでもない。徹底した真相究明と広範囲な責任者の問責は当たり前の手続きだ。根本的には今回の事件を契機に人事と国政運営の一大刷新が必要だ。大統領府のチームワークがめちゃくちゃならば、人的刷新を恐れる理由はない。その場その場の危機だけまぬがれようとする場当たり的な処方では同様のアクシデントが再発しないわけがない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/587186.html 韓国語原文入力:2013/05/13 19:18
訳T.W(1237字)

関連記事