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[社説] 対話のための局面転換が必要な時だ

登録:2013-04-08 01:12 修正:2013-04-08 10:18

 朝鮮半島の緊張局面が微妙な変化の兆しを見せている。米国は最近北韓を刺激しかねないという理由で大陸間弾道ミサイルの発射実験を延期したという。それでもわが国の政府は「生半可な対話は試みない」という強硬姿勢を維持している。このままでは、ややもすると今後展開する対話局面で我々の声が立つ瀬を失うことにならないか憂慮される。

 朝鮮半島の緊張が高まったのには北韓の連続した挑発に一次的責任があることは言うまでもない。北韓は第3次核実験、原子炉再稼働宣言、平壌(ピョンヤン)駐在外国公館の撤収勧告などで緊張の度合いを次々と高めている。こうしたことを続けていれば国際的孤立を自ら招くだけだ。特に通行禁止で開城(ケソン)工業団地の運営が行き詰まりを見せ始めたことは南北どちらの役にも立たない。北は南北の間に最小限の信頼まで壊れることがないよう、まず開城工業団地の通行から正常化すべきだろう。

 こうした中で米国が融和的な態度を見せ始めたことは注目に値する。外信によれば、米国防総省は北韓の「誤解や誤った判断を避ける」ために今週予定されていた大陸間弾道ミサイル ミニッツマン3の発射実験を延期したという。パン・ギムン国連事務総長の最近の行動も目を引く。パン総長は数日前に中国外交部長との電話会談で、朝鮮半島の緊張緩和のための協力を要請したのに続き、11日にはオバマ米国大統領と会談する。米国をはじめとする国際社会で朝鮮半島緊張緩和のための動きが具体化していることを示している。

 わが国の政府も変わった姿を見せる時だ。政府はこれまで北韓の挑発と威嚇に強硬対応で一貫してきた。朝鮮半島の信頼プロセスを前面にしてきたが、前提条件として北韓の態度変化を要求した。もちろん北韓が持続的に軍事的・政治的緊張の強度を高めているところで、先に対話の手を差し出すことは容易でないだろう。しかし強硬に対する強硬では決してどんな解決策も模索することはできない。

 政府は国内外の対話圧迫世論により我々が先に融和的な姿勢に切り替えれば、すぐに北韓の意図に引き込まれると考えているようだ。キム・ジャンス大統領府国家安保室長は昨日「対話を恐れないが、危機にあっても生半可な対話を試みはしない」と話した。だが、強硬対応の終わりが戦争になってはならないので、結局は対話をするしかない。そしてそのような局面転換のイニシアチブは朝鮮半島の事案の利害当事者である我々が握らなければならない。対策なしに強硬論だけ唱えて国際社会が対話局面に反転すれば、我々だけが‘追い立てた鶏に屋根に逃げられる(訳注・強行してかえって損をする)’格好になりかねない。我々は今その転換点に立っているのだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/581613.html 韓国語原文入力:2013/04/07 19:17
訳T.W(1240字)

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