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[社説] 現代車、‘チェ・ビョンスン 正規職転換’姑息な手を使うな

登録:2013-01-08 20:27 修正:2013-01-08 22:45

 現代自動車が数日前、80日を超えて送電鉄塔で高空籠城を行っている社内下請け非正規職労働者チェ・ビョンスン氏に正規職発令を出した。 昨年2月、最高裁で不法派遣判定を受けて11ヶ月ぶりのことだ。 チェ氏が下請け業者から解雇されて労働委員会に不当解雇救済申請を出した2005年2月から計算すれば、何と8年ぶりに勝ち取った大切な勝利だ。

 だが、チェ氏は会社の方針通りに工場に戻ることはできないと明らかにしたという。 今一人で正規職転換を受け入れれば、数年にわたった訴訟の末に不法派遣が認められた自身の事例が7700人余り(労組推算)の非正規職同僚たちが繰り返さざるを得なくなるという理由からだ。 チェ氏が8年にわたった闘争の成果と雇用安定の‘誘惑’を捨て、鉄塔に残ることにしたことは非正規職のない世の中に向けた熱望と高い労働者連帯の意識のためかもしれないが、そのように決心するまで彼がどれほど悩んだかをを考えれば胸が詰まる。

 チェ氏が速やかに籠城を解いて正規職に転換できない理由は自明だ。 非正規職問題を巡る労使交渉が何の進展もおさめられずにいる上に、会社側決定に疑わしい点が少なくないからだ。 現代車正規職・非正規職労組が会社と繰り広げている特別交渉は、先月末から中断状態で、その間会社側は社内下請け労働者を対象に420人の新規採用公告を出した。 会社側が不法派遣問題で強硬姿勢に転換したと解釈されて当然だ。 蔚山地方裁判所が昨日、送電鉄塔籠城場のテントなどの施設に対する強制撤去に乗り出したことも雰囲気を暗くさせている。

 さらに会社側はチェ氏が応じない場合、懲戒・解雇の手続きを踏む計画だと公然と明らかにしている状態だ。 非正規職労組の主張のように、別の魂胆があるのではないか疑わざるをえない。 もし今回の発令が籠城解除を強制しようとする圧迫であり、チェ氏を再び解雇するための手順踏みなら姑息中の姑息だ。

 何回も強調しているが、現代車非正規職問題の正しい解決法は会社側が不法派遣を先ず認め、労組と正規職化方案を協議することだ。 すでに雇用労働部は2004年に現代車生産工場と下請け業者を相手に一斉調査を行った後、9234工程で不法派遣があったと判定した。 それでも会社側は不法派遣だったのは最高裁判決が下されたチェ氏ひとりだけだと固執している。 現代車が誠意ある姿勢に切り替えて特別交渉がなされ、前向きな合意が導き出されて、チェ氏が快く鉄塔から降りることになることを期待する。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/568777.html 韓国語原文入力:2013/01/08 19:18
訳J.S(1163字)

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