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[社説] セヌリ党、不法コメント部隊事件の責任者を明かせ

登録:2012-12-15 21:03 修正:2012-12-16 23:56

 ソウル市選管がセヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)候補に有利なインターネットのコメント付けをした違法選挙運動現場を摘発して検察に捜査を依頼した。衝撃的なのは違法なコメント部隊を指揮した者たちがセヌリ党の選対委の公式肩書がある面々という点だ。

 選管の発表内容によると、この事務室の運営責任者はセヌリ党の中央選対国政広報対策委総括チーム長兼国民便益委SNSメディア本部長であるユン・ジョンフン氏だ。またセヌリ党の選対国政広報対策委員長と首席副委員長が事務室の賃貸料を負担していたことが確認されたという。

 オンライン上の悪意的コメント文化は新しいことではないが、選挙運動期間に特定候補に不利益を与えるために組織的に違法なコメント部隊を運営するのは民主主義を脅かす重大な犯罪だ。これまで政界でコメント部隊を作って世論操作を日常的に行っているという話は盛んだったが、今回その一端が明るみに出たわけだ。

 セヌリ党がこの事件について知らんぷりというのは公党らしくない。朴槿恵候補は民主統合党が提起した国家情報院の女性職員選挙介入疑惑と関連して、昨日会見を開いて「中傷宣伝との全面戦争を宣言する」と話した。だが会見前夜に発生した違法コメント部隊事件については一言も言及しなかった。朴候補が中傷宣伝との戦争宣言を説得力をもって主張するには、最小限この事件と党の関連性を徹底的に調査するという立場ぐらいは示しておくのが正論だ。

 違法コメント部隊事件は各種の証拠と情況から、法律違反の事実が明確な事件だ。残った問題はセヌリ党が党次元で介入したか否かを明らかにすることだ。現場の事務室で発見された朴槿恵候補の任命状がニセ物でなければどのような形にしろ党と関連せざるを得ない。また、関連者がセヌリ党選対委の公式肩書があるだけにその上層部ラインがどこなのかを明らかにしなければならない。事務室を借りるのに使われた資金がどこから出されたのかも暴かなければならない。検察は早急に事件の実体を明らかにするよう願う。セヌリ党は誤った点があるならば認めて謝るのが公党の道理だろう。

 国家情報院の女子職員事件の場合、警察の迅速な捜査がカギだ。 違法コメント部隊事件と異なり明確な物証がないだけに、より広範囲な捜査が必要に見える。 国家情報院女子職員が勤務時間中に長時間、事務室に留まるなど多くの疑問点があるが、民主党がさらに徹底的に調査した後に事件を公開する必要もあったものとみられる。裏調査の過程で民主党側が国家情報院女子職員の車に故意にぶつかるなど不必要な行動があったとすれば謝るべきだ。

 選挙終盤のどんなに急を要する時でも自分たちの非はたなに上げたまま、他人に責任を全部押し付けることは正道ではない。朴槿恵候補も文在寅(ムン・ジェイン)候補も共に新しい政治をうたっている。疑惑があるなら明明白白にしなければならない。不利だからと伏せておき、相手の弱点だけを攻撃し曖昧にして選挙を行おうとしてはいけない。このような時こそ有権者がしっかり目を見開いておかねばならない。乱暴な言葉の裏に隠された善し悪しをしっかり見据えて投票で審判すべきだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/565447.html 韓国語原文入力:2012/12/14 19:14
訳T.W(1420字)

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