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[社説] いつまで‘安全たわごと’ばかり繰り返しているのか

登録:2012-10-29 08:24 修正:2012-10-29 09:47

 蔚珍(ウルチン)原発2号機が昨日未明、故障で稼動を停止した。 今年に入って13回目の故障で、今月だけですでに3回目だ。 去る2日には同じ日に新古里(シンゴリ)1号機と霊光(ヨングァン)5号機が相次いで稼動中断された。 このように原子力発電所の故障が続いているにも関わらず、当局は安全だという言葉ばかりを繰り返している。 いつまで当局者のこういう言葉だけを聞いていなければならないのか、不安なことこの上ない。 ささいな故障でも対応を誤ればややもすると大型事故につながりかねないためだ。

 韓国水力原子力は昨日故障停止した蔚珍2号機も原子炉の安全とは全く関連がない故障と言っている。 同時に故障した機器を新品に変えた後、原子力安全委員会の承認を経て再稼働する予定だと言った。 原子力発電所が故障するたびに聞いた判で捺したような言葉だ。 だが、何度もこういう話を聞いている国民は不安だ。 今月初めに故障した新古里1号機と霊光5号機も点検を終えて再稼働したが、再び問題が発生した。 故障した部品だけを変えたからと言って問題が完全には解決されないことを示している。

 特に古里原子力発電所1号機の停電隠蔽事故に見るように、原子力発電所当局の話をそっくり信じることもできない。 去る2月に古里原子力発電所1号機の冷却機能が喪失された事故があったのに、一ヶ月も隠蔽されていた事実が明らかになり国民に衝撃を与えた。 情報を独占している原子力発電所当局が自分たちに不利な内容を隠したり、事実の一部だけを公開しても国民には分からない。 原子力発電所当局は国民に‘安全だから信じなさい’と言う前に、透明な情報公開からきちんと行わなければならないだろう。

 原子力発電所に対する国民の不信を解消するには原子力発電所の運営政策を稼動率中心から安全性中心に抜本的に切り替えなければならない。 原子力発電所当局は我が国の原子力発電所の稼動率が90%を超えており、外国よりはるかに効率的だと自慢している。 だが、これは逆に原子力発電所に対する安全意識がそれだけ低いということに他ならない。 どうにかして原子力発電所の稼動率を最大限に高めて収益を上げようとするのではなく、安全点検期間と回数を増やして故障の可能性を最大限に減らさなければならない。

 究極的には原子力発電所中心の電力政策を再考しなければならない。 昨年日本の福島原子力発電所事故以後、世界各国は脱原子力発電所側に方向を切り替えている。 それでもわが政府は2030年までに原発10基を追加建設して、原発依存率を59%に高めると言っている。 原子力発電所は一見すると価格の安い電力を供給するように映るが、寿命が終わった原発の閉鎖費用や大型事故の際に被る被害を考慮すれば決して発電単価が安くも安全でもない。 もはや時代錯誤的な原発中心政策に固執する時ではない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/557828.html 韓国語原文入力:2012/10/28 19:10
訳J.S(1312字)

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