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[社説]古里原発、再延長目指して安全基準緩和か

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/548237.html原文入力:2012/.0/8.22 19:13(1446字)
 原子力安全委員会(原安委)が原発の基幹部である原子炉に対する安全基準を低くする告示を準備中だという。古里1号機をはじめとする老朽化した原子力発電所の稼動を延長するための方便として見るむきが少なくない。福島原発事故以後原発の安全規制を強化すると作った原安委が、強化どころか緩和するのはとうてい納得できない。  原安委は6月22日に自らのホームページに加圧熱衝撃許容基準を緩和する内容の‘原子炉圧力容器監視試験基準改正案’を予告した。加圧熱衝撃基準とは事故の時原子炉の急激な温度変化と冷却水による衝撃を耐えることができる上限線をいう。新しい改正案はこの基準を現行の摂氏149度から155.6度に高めるとされている。耐久性が低い原子炉も稼動することができるように安全基準を緩和するというものだ。これは2010年の米国原子力規制委員会の措置に合わせた安全基準という。
 原子炉の圧力容器は核分裂が起きる核心部位だ。核分裂の過程で出る中性子は鋼鉄になった原子炉圧力容器をガラスのように‘脆性化’させる。鋼鉄の容器が脆性化すると外部衝撃や急激な温度変化によって簡単に破損する危険がある。加圧列衝撃基準というのは、こういう危険を避けるための安全基準だ。チェルノブイリや福島のような大型原発事故はまさに圧力容器破損から始まった。古里1号機原子炉の加圧熱は早ければ2013年頃に摂氏151.2度まで上がると推定されるという。2017年の稼動期限を控えて再び寿命延長をするためにあらかじめ基準を低くしたという指摘が出るしだいだ。福島事故以後安全基準を強化しても足りない時に基準を緩和するのは原安委の設立趣旨を色あせさせるものだ。これに加えて韓国水力原子力が2017年以後の2回目の寿命延長のために原子炉圧力容器中に設置する監視試験片の耐久年数を捏造したという疑惑まで指摘された。
 古里1号機は2007年の30年の設計寿命を終えたが、10年間寿命を延ばすことにして運用中だ。今月初めに電力需給の不安定を理由にこっそりと再稼働に入ったが全体原発事故・故障件数の20%を占めるほど事故だらけだ。釜山(プサン)など近隣住民の絶対多数が再稼働に反対して閉鎖を要求するのも不安を肌で感じているためだ。このような古びた原発の寿命を再び延長するために安全基準を低くして監視試験片の耐久年限を捏造したならばこれは住民の安全をいっそう脅かすものだ。原安委は公聴会などの手続きさえ守らなかった告示改正案を白紙化して韓水原の捏造疑惑も明らかにしなければならない。
原文: 訳T.W