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トランプ大統領の揺さぶりとイラン強硬派の反発…一日で崩れたホルムズ海峡の「開放」

登録:2026-04-20 06:22 修正:2026-04-20 09:16
18日(現地時間)、イスラエル北部のナハリヤで、イスラエルの海軍艦艇が浮かんでいる海の浜辺を一人の女性が歩いている様子/ロイター・聯合ニュース

 イランが「ホルムズ海峡の完全開放」を発表してからわずか一日で「再封鎖」に戻ったのは、米国の海峡封鎖の維持、強硬派など内部の反発、レバノンで続く衝突などが複合的に影響したものとみられる。暫定停戦の期限である22日(イラン時間)が迫る中、米国とイランが自国に有利な交渉結果を引き出すために熾烈な「綱引き」を繰り広げているという分析もある。

 イラン側は、米国の約束違反を方針転換の理由に挙げている。イランの交渉代表であるモハンマド・バゲル・ガリバフ議長は18日(現地時間)、イラン国営放送に出演し、「最終合意には程遠い」とし、「交渉で進展はあったが、依然として多くの意見の相違が存在し、いくつかの根本的な争点が残っている」と述べた。さらに「米国が封鎖を解除しなければ、ホルムズ海峡の通行は確実に制限されるだろう」とし、「もし今、海峡の通行が中断されたとすれば、それはレバノンでの停戦が完全に成立していないためだ」と語った。実際、停戦を約束したにもかかわらず、イスラエルはレバノンの親イラン武装組織ヒズボラに対する攻撃を続けている。イスラエル軍は、この日初めてレバノン南部の駐屯地に「イエローライン」を設定したことを明らかにし、このラインに接近したヒズボラの「テロリスト」を攻撃した事実を3回にわたり発表した。ヒズボラの最高指導者であるナイム・カセム師は声明で「我々は引き金に指をかけたままであり、違反が発生した場合はそれに応じて対応する」と警告した。

 イランによる海峡開放宣言にもかかわらず、米国が対イラン海上封鎖を維持していることも、主な理由として挙げられる。ドナルド・トランプ米大統領は17日、イランがホルムズ海峡を完全に開放すると表明したことを受け、直ちにソーシャルメディアを通じて謝意を表明したが、その直後に「イランとの取引が100%完了するまで、イランに対する海軍封鎖は全面的に維持される」と投稿した。国際危機グループ(ICG)のイラン担当ディレクターであるアリ・バエズ氏は、トランプ大統領の発言を例に挙げ、イランの態度の変化は「米国の極めて不適切な対応を反映したもの」だと、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に語った。

 海峡の開放をめぐるイラン国内の対立も露呈した。イランの強硬派議員やメディアなどは、海峡の開放を宣言したアッバス・アラグチ外相を批判した。モルテザ・マムディ議員もソーシャルメディアのX(旧ツイッター)で、「戦争という口実さえなければ、我々は間違いなくアラグチ外相を弾劾していただろう」と非難した。交渉を主導するガリバフ議長に対しても、「ホルムズ海峡への商船の通行を許可する措置は、最高指導部の『限界線』に該当する事案だ」として、「あなたが語った『戦争後に平和、再び戦争という悪循環を断ち切る』という約束はどうなったのか」と批判した。米シンクタンク「クインシー研究所」のトリタ・パルシ副所長はウォール・ストリート・ジャーナル紙に、「米国との合意に反対する強硬派の抵抗がますます強まっており、重大な政治的難題として浮上している」と語った。

 ただし、両国は対話の扉を完全に閉ざしたわけではない。米国とイランは2回目の協議を開き、原則的なレベルで合意する「覚書」を交わし、60日間の追加協議期間を設定する案には共感しているが、詳細な条件をめぐり鋭く対立しているという。特に主要争点である核問題に関し、トランプ大統領が「我々がB2爆撃機で攻撃し、地下深くに埋まっているウランの残骸を米国に引き渡すことにイランが同意した」と主張した一方、イランのサイード・ハティブザデ外務次官はAP通信のインタビューで「濃縮ウランを米国に引き渡すことは、そもそも議論の対象にもなり得ない」と一蹴した。さらに、イランは米国による戦争被害賠償金の支払い、200億ドル規模の凍結資金の解除、そして包括的な制裁の撤廃まで要求している。このため、最終合意に至るまでには険しい道のりが予想される。

キム・ジフン記者、ワシントン/キム・ウォンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1254921.html韓国語原文入力:2026-04-19 20:34
訳H.J

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