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イランのモジタバ師、父親の「核兵器禁止令」破り核兵器の保有に踏み切るか

登録:2026-03-11 06:48 修正:2026-03-11 07:11
NYT「イランを核保有へと追い込む戦争になる可能性も」
9日(現地時間)、イランのテヘランで、モジタバ・ハメネイ師の選出を祝うために集まった群衆の中で、一人のイラン人女性が前任者のアリ・ハメネイ師(左)とモジタバ師(右)の写真を掲げている/AP・聯合ニュース

 8日(現地時間)、イランの新しい最高指導者に選出されたモジタバ・ハメネイ師が、父親の「核兵器禁止」ファトワー(宗教令)を変更するかどうかに関心が集まっている。米国とイスラエルの今回の攻撃がイランを核兵器保有へと追い込んだ形だという分析とともに、西側諸国との対話が可能になるかもしれないという見通しも示されている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は9日(現地時間)、新最高指導者が父親が踏み切らなかった核兵器開発の道へと進む可能性もあるとして、専門家たちが懸念を示していると報じた。イスラエル国防情報局でイランを担当した米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のアナリスト、ダニー・シトロノビッツ氏は「イランの核兵器保有を阻止するための戦争が、実際にはイランがルビコン川を渡り核兵器を持つことに追い込む戦争になるかもしれない」と同紙に語った。AP通信も9日、「若いハメネイ師は父親よりも非妥協的な人物とみられる」としたうえで、「彼は父親が絶対にしなかった核兵器開発の道を選ぶ可能性もある」と指摘した。

 父親のアリ・ハメネイ師は2003年、「核兵器を取得、開発、使用しない」というファトワーを発表した。特にアリ・ハメネイ師は、ファトワーを変更し核兵器の保有を可能にすべきという革命防衛隊などの強硬派の要求を阻止する役割を果たしてきたという分析もある。英紙テレグラフの報道によると、イラン革命防衛隊が昨年「核兵器ファトワーを撤回すべきだ」とハメネイ師を圧迫したこともあるという。

 モジタバ・ハメネイ師は選出後、まだ公の場に登場したことも、発言したこともない。戦争継続の是非や核開発に対する考えもまだ明らかになっていない。イランの最高指導者は核兵器開発に関する最終決定権を持つ。スティムソン・センターのエバン・クーパー研究員は先日ハンギョレのインタビューで「交渉中に敢行された米国の攻撃はイランに『核兵器だけが唯一の抑止手段』という確信を持たせるだろう」と分析した。

9日(現地時間)、イラン・テヘランのエンゲラブ広場で、新しい最高指導者モジタバ・ハメネイ師を支持する集会で、群衆がイラン国旗を振っている/AFP・聯合ニュース

 ただし、モジタバ師が全世界の注目が集まる最高指導者の核兵器ファトワーを変更することに負担を感じるだろうという分析もある。指導者の世襲に伴う波紋が予想されるなど、最高指導者選出の可能性が低いとみられていたモジタバ師が、「殉教者の息子」という父親の後光を背負って最高指導者となった以上、父親と異なる道を選ぶのは容易ではないためだ。

 むしろモジタバ師が強硬派であるため、改革政策を導入、西側と交渉に出る可能性もあるという一部の見方もある。テヘラン大学のハッサン・アフマディアン副教授は、モジタバ師がすでに強硬派の中で確固たる地位を築いているため、合意に応じる可能性があると指摘し、「モジタバ師は現時点でイランのためになると考える優先順位に基づき、イラン政界の誰とでも協力しうる」と、ニューヨーク・タイムズ紙に語った。同紙は、権威主義的に国家運営を行いながらも女性の運転を許可するなど改革政策を導入したサウジアラビアの実権者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子のような存在にモジタバ師がなることを望むイラン市民の声も伝えた。韓国でも、対北朝鮮強硬派だった朴正煕(パク・チョンヒ)大統領時代に北朝鮮と1972年7・4南北共同声明を発表したり、盧泰愚(ノ・テウ)政権が「北方外交」でソ連・中国と国交を結ぶなど、保守政権が共産圏諸国との和解を主導した事例がある。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1248577.html韓国語原文入力:2026-03-11 01:18
訳H.J

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