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ネタニヤフ首相が企画し突き動かした米国のイラン戦争…政権延長の残酷な夢

登録:2026-03-05 06:36 修正:2026-03-05 07:49
昨年からハメネイ師の殺害などイラン戦争を推進
3日(現地時間)、インドのニューデリーで米国とイスラエルのイラン戦争を非難した活動家が、米国のドナルド・トランプ米大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が戦車に乗って平和を掲げるという批判を込めたプラカードを持ってデモを行っている/ AFP・聯合ニュース

 米国とイスラエルのイラン戦争は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が企画したものという批判が高まっている。

 マルコ・ルビオ米国務長官は2日に開催された記者会見で、米国はイスラエルの先制攻撃がもたらす危険を懸念しイランを攻撃したと述べ、批判世論に油を注いだ。ルビオ長官は「我々はイスラエルの行動があることを知っており、それが米軍に対する攻撃を引き起こすことも知っていた」とし、「米国が先制的に攻撃しなければ、さらに多くの米軍の被害を受けることも知っていた」と語った。イスラエルの先制攻撃が引き起こすイランの攻撃に米国が被害を受ける可能性があるため、イランを攻撃したという意味だ。

 ルビオ長官は「イランからの差し迫った脅威があったか」という質問に対し、「差し迫った脅威は確かに存在していた」としたうえで、「イランが攻撃された場合、即座に米国を攻撃することが予想されていた」と答えた。イスラエルによるイランへの攻撃がもたらす危険が差し迫った脅威という意味だ。

 この発言は米国内外で波紋を呼び、ルビオ長官は翌日には発言を撤回した。長官は「大統領がイランとの交渉が失敗したと判断し、『先に進むべき』という決定を下した」と述べた。トランプ大統領はこの日、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相との首脳会談で「だから、もしかしたら、むしろ私の方がイスラエルを圧迫したかもしれない」と発言した後だった。

 ルビオ長官の発言でなくても、ネタニヤフ首相が昨年からトランプにイランの最高指導者ハメネイ師の殺害を促してきたことはすでに知られている。

 米国とイスラエルのイラン戦争は「トランプ大統領の決定」であると同時に、「ネタニヤフ首相の念願のプロジェクトが実現した結果」でもあると、ワシントンの中東研究所「アラブセンター」は2日の報告書で分析した。ニューヨーク・タイムズ紙は、ネタニヤフ首相が2025年末にトランプ大統領のマール・ア・ラーゴ邸を訪問した際、「イランのミサイル基地を攻撃する」構想を示し、2カ月後の2月にはその範囲を「イラン指導部を狙ったより包括的な攻勢」に拡大し、米国の参加を実現させたと報じた。

 同紙はまた、オマーンを仲介とする米国のイラン核交渉の試みをネタニヤフが米国国内の強硬派と協力して無力化したと分析した。「限定的核合意はイラン政権を安定させ、制裁緩和は今後の対イラン戦線の構築を困難にする」という論理を押し出したという。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、ネタニヤフ首相が2月11日のホワイトハウス訪問で「トランプ大統領をイランに対する軍事行動に確実に結びつけようとした」と報じた。イランとの核交渉が軍事攻撃計画を白紙化する可能性があるという懸念を示し、「外交が空爆を防げないようにすること」に力を入れたという。この会合でネタニヤフ首相は「イランの最高指導部、核・ミサイル、革命防衛隊指揮部を同時に攻撃する案」を提示し、米中部司令部とイスラエル防衛軍の間のチャンネルを通じて、目標物選びと軍事力の配備が急速に進んだ。

 ネタニヤフ首相の長年の説得が実を結んだのは、2月23日だった。首相はこの日トランプ大統領に電話し、イランの最高指導者ハメネイ師とその高官が28日に一堂に会するという情報を伝えて攻撃を提案しており、結局実現させたと、アクシオスが3日付で報じた。この2カ月の間、トランプ大統領とネタニヤフ首相が2回会談し、15回もの電話会談を通じて緊密に協力した結果だった。

 イランとの戦争により、ネタニヤフ首相は再び政治的寿命を延ばせるようになった。31日までにイスラエル議会が予算案を可決しなければ、ネタニヤフ内閣は自動的に解散し、早期総選挙を行わなければならない。昨年もネタニヤフ政権は予算をかろうじて可決させたが、今年は超正統派ユダヤ教徒の徴兵法についても政治界が接点を見出せず、予算案の可決が容易ではないというのが大方の見通しだった。さらに、もし失脚すれば、贈賄容疑の裁判が迅速に進む可能性があり、ネタニヤフ首相の政治生命は崖っぷちに追い込まれていた。

 ところが、「戦時には政府を中心に団結すべきだ」という世論が高まり、予算案が可決される可能性が高まった。戦争勃発直後、第一野党のヤイール・ラピッド代表がXへの投稿で、「このような瞬間(戦時)に私たちは一致団結し、共に勝利する。連立(与党)や野党は関係ない」と書き込んだのが代表的な事例だ。

 アラブセンターのカリール・ジャシャン事務局長は報告書で「ネタニヤフ首相はイランの政権交代を18年にわたる首相経歴の核心テーマに据えてきた」とし、「賄賂、詐欺、背任など彼の犯罪から大衆の目を逸らし、人気が低下する時期にも政治的勝利を確保する選挙戦略に大いに役立った」と指摘した。最新の2回の世論調査によると、ネタニヤフ連立内閣は2026年10月に予定されている総選挙で49〜52議席にとどまると予想される一方、野党は57〜58議席を占めると見込まれている。今回の戦争の真の勝者はネタニヤフ首相だけだと言われる理由だ。

 ネタニヤフ首相は、ガザ戦争後に中東の秩序を再編するために推進している「5段階構想」のもと、イランの政権交代を目的としたイラン戦争も計画したと、英国のテレグラフが3日付で報じた。この5段階の構想は、ハマスの壊滅→「抵抗の軸」における残りの勢力を制圧→イランの核プログラムの破壊→湾岸・アラブ諸国との連帯→新しい秩序とガザ・パレスチナ問題のリフレーミングへと進んでいく。この過程でイランの政権交代や体制崩壊はネタニヤフ首相にとって最も核心的で重大な課題だ。

 イランのアバス・アラグチ外相は2日、ソーシャルメディアのXへの投稿で、「トランプ大統領は『アメリカ・ファースト』を『イスラエル・ファースト』に変えた。それは常に『アメリカ・ラスト』を意味する」と嘲笑した。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1247615.html韓国語原文入力:2026-03-04 15:46
訳H.J

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