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NATO、「トランプにこれ見よがしに」グリーンランドで軍事演習…英仏独が兵力派遣

登録:2026-01-16 06:35 修正:2026-01-16 07:29
14日、グリーンランドの首都、ヌークの雪に覆われた住宅街/AP・聯合ニュース

 14日(現地時間)、米国とデンマークおよびグリーンランドの代表団の会談が成果なしに終わった中、欧州のNATO加盟国がグリーンランドで軍事演習を行うことにした。「デンマークにグリーンランドを守る力がないから、米国が手に入れる」というドナルド・トランプ米大統領の主張に対する反論とみられる。

 フランスのル・モンド紙とドイツのDPA通信によると、グリーンランド自治政府のムテ・エゲーデ財政租税相はこの日、ホワイトハウスで米国代表団とグリーンランド領有権問題をめぐる会談後に記者会見を開き、「今日から今後数日間、グリーンランドにNATO兵士が増えるだろう。軍用機や軍艦も増える」と述べた。さらに「軍事演習が行われる予定だ」と説明した。

 デンマーク国防省も声明を出し、「(演習の)目標は極地環境で作戦遂行能力を強化し、これを通じて欧州と大西洋の安全保障のためのNATO同盟を強化すること」だと述べた。

 「北極の忍耐(Arctic Endurance)作戦」と名付けられたこの演習にはドイツやフランス、英国、デンマークなどNATO内の欧州加盟国の多数が参加する。ドイツ国防省は声明で「デンマークの域内の安全保障を支援するため、今後の軍事貢献を念頭に置いて(当該地域の)環境条件を点検する」と述べた。ドイツは15日、13人からなる偵察隊を派遣する。

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領も同日夕方、Xへの投稿で、「フランス軍の先発隊がすでに移動している。他の兵力も後に続くだろう」と明らかにした。フランスは、極寒で訓練を重ねてきた陸軍山岳旅団所属の兵力を送る。この他にもノルウェーは2人、英国は1人の将校を送り、スウェーデンも将校を派遣する。グリーンランドでの合同演習は通常数カ月前から準備が進められるが、今回は発表の直前に決まったとル・モンド紙は報じた。

昨年6月、デンマーク海軍のフリゲート艦がグリーンランドの首都ヌーク沖を哨戒している様子/AFP・聯合ニュース

 今回の軍事演習は、デンマークがグリーンランドを守り切れないというトランプ大統領の主張に対し、欧州が「行動で」反論したものと言える。トランプ大統領はこの日もホワイトハウスで記者団に「我々が(グリーンランドに)行かなければ、中国が行くだろうし、ロシアも行くだろう」とし、「デンマークが一人で自らを防衛できるとは思えない」と述べた。

 演習とは別に欧州政界のデンマークとグリーンランドに対する支持表明も続いている。フランスのセバスチャン・ルコルニュ首相はこの日、議会で「(グリーンランドを手に入れるという)トランプ政権の意図は非常に深刻であり、これを真剣に受け入れなければならない」としたうえで、「デンマークとグリーンランド当局とフランスは完全な連帯を結んでいる」と述べた。

 ドイツでは極右・親米性向の野党第一党の「ドイツのための選択肢」(AfD)までもが異例にも、ベネズエラとグリーンランドに対するトランプ大統領の威嚇を批判した。同党のティノ・クルパラ共同代表は前日、記者団に「(武力で土地を奪う)西部開拓時代の方式は退けなければならない」とし、「トランプ大統領は他国に干渉しないという核心の選挙公約を破った」と指摘した。

 ただ、各国の兵力が演習後もグリーンランドに常時駐留するわけではない。派遣規模も少数だと欧州メディアは指摘した。真冬のグリーンランドの天気は苛酷で、航空機など軍事装備が損傷する恐れがあるうえ、欧州が大規模な武力示威でトランプ大統領を過度に刺激することを望んでいないからだ。

 ル・モンドは「兵力派遣はほとんどが小規模で段階的に行われている」とし、「(訓練は)グリーンランドに対するデンマークの主権を支持すると同時に、欧州国家らが速かに(兵力を)組織し、この地域の安全保障に貢献できることを示すための『戦略的シグナル』に近い」と指摘した。

チョン・ホソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1239936.html韓国語原文入力:2026-01-15 15:34
訳H.J

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