ドナルド・トランプ米大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と前提条件なしに対話する意思があると、ホワイトハウスが9月30日(現地時間)に明らかにした。先週、同じ質問に対し「完全な非核化を達成するための対話に開かれている」と答えたことを考えると、米国の立場が変わったともとれる発言だ。
ホワイトハウス関係者はこの日、「トランプ政権は(金正恩委員長が最近言及したように)核問題に触れず北朝鮮と対話することに開かれているのか」というメディアの質問に対し、「米国の北朝鮮政策には変わりがない」とする一方、「トランプ大統領は金正恩委員長といかなる前提条件もなく対話することに依然として開かれている」と答えた。
先週、ホワイトハウスは同じ趣旨の質問に対し、「トランプ大統領は北朝鮮の完全な非核化を達成するため案として、金委員長との対話に依然として開かれている」と答えた。「対話に開かれている」(remain sopen to talking)という表現は同じだが、「北朝鮮の完全な非核化を達成するために(to achieve the complete denuclearization of North Korea)」の代わりに、「いかなる前提条件もなく」(without any preconditions)という文言が入った。「北朝鮮政策には変わりがない」として、「非核化」という目標は維持しながらも、対話再開に向けて門戸を広げた可能性がある。
北朝鮮の金正恩国務委員長は先月21日、最高人民会議第14期第13回会議で、「もし米国が荒唐無稽な非核化への執着を手放し、現実を認めたうえで我々との真の平和共存を望むなら、我々にも米国と向き合えない理由はない」と述べた。
最近、韓国政府高官は、今月末に慶州(キョンジュ)で開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議を機に、トランプ大統領と金委員長による首脳外交が再開される可能性があると明らかにした。また、朝米首脳間の対話再開については、「今のところ断定的に言うのは難しいが、その可能性を排除することはできない」とし、「(朝米首脳間の対話は)可能であり、またそうなることを願いながら見守っている」と述べた。