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金正恩委員長「非核化除けば米国と対話」…李大統領「核凍結、朝米合意すれば同意」

登録:2025-09-23 06:35 修正:2025-09-23 09:32
李在明大統領(左)と北朝鮮の金正恩国務委員長/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が今月21日に開かれた最高人民会議で、米国に対し「非核化への執念を振り払い、真の平和共存を望むなら」 対話に乗り出すという意向を示した。米国の第2次トランプ政権の発足後、初めて出た対米戦略方針に関する公開演説だ。先月の韓米首脳会談で朝米対話を支持する意思を明らかにし、「ペースメーカー」の役割を買って出た李在明(イ・ジェミョン)大統領も、22日に報道された英国BBCでのインタビューで、「(朝米首脳が)核凍結に合意するなら、同意する用意がある」と述べた。核能力に対する自信を確保した北朝鮮が、韓国の支持を得た米国といつ頃対話を再開するのか注目される。

 金委員長は平壌(ピョンヤン)の万寿台(マンスデ)議事堂で20日から2日間開かれた最高人民会議第14期第13回会議の2日目(21日)の「重要演説」で、「私はまだ個人的には現米大統領のドナルド・トランプに対する良い思い出がある」とし、「もし米国が荒唐無稽な非核化への執念を振り払い、現実を認めたうえで、我々と真の平和共存を望むなら、我々にも米国と向き合えない理由はない」と述べた。米国が北朝鮮の核保有を認めることを前提に、軍事的緊張緩和に向けた対話を提案した場合、応じるという意味だ。この発言は、10月末に慶州(キョンジュ)で開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議など重要な外交日程を念頭に置いたものとみられる。

 一方、金委員長は、南北関係の改善と対話の復元には関心がないことを重ねて強調した。金委員長は「敵はやはり敵」だとしたうえで、「統一は決して必要ない」と一線を引いた。金委員長は李在明政権発足後も韓米軍事訓練が続き、国防費が増額されたことについて、「李在明政権は以前の政権と本質的に違うものは何もない」とし、「『吸収統一』の野望においては悪質な『保守』政権が顔負けするほど」だと主張した。

 金委員長が南北対話の可能性を一蹴したものの、米国と対話する意思を示しながら出した核関連の発言は、李大統領が北朝鮮の核問題についてこれまで明らかにしてきた「凍結-縮小-非核化」の3段階の解決策とも一定の接点がある。李大統領はBBCのインタビューで、「最終目標のために成果のない試みを続けるか、それとも現実的な目標を設定し、一部でも目標を達成するかが問題だ」とし、「トランプ大統領と金正恩委員長が北朝鮮の核兵器を完全に廃棄する代わりに、当分のあいだ生産を凍結することで合意した場合、これに同意できる」と述べた。北朝鮮が今は韓国と対話する意思がなく、非核化を要求し続けるのは北朝鮮の反発を強めるだけという認識のもと、米国が核兵器生産凍結を議題に北朝鮮と対話を始め、意味ある成果を出してほしいという訴えだ。

イ・ジェフン先任記者、オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1220125.html韓国語原文入力:2025-09-22 20:46
訳H.J

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