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戦争のさなかに…ウクライナの国防省高官、砲弾購入のための巨額資金を横領

登録:2024-01-30 10:18 修正:2024-01-30 11:57
1月29日、ロシア軍の爆撃で破壊されたウクライナの首都キーウ郊外のブチャの中心街で、ストリートアーティストの描いた壁画のそばで子どもが火にあたる真似をしている/REUTERS

 ロシアと戦争中のウクライナで、防衛産業会社が国防省の高官と組んで武器購入に使うべき約4千万ドル分の資金を横領し、摘発された。

 ウクライナ保安局(SBU)は28日(現地時間)、公式テレグラムアカウントを通じて、横領容疑で5人が起訴され、このうち1人はウクライナを出国しようとして捕まったと明らかにした。保安局が検察・警察と共に進めた捜査の結果、今回の事件には前任・現役の国防省高官2人と防衛産業会社「リビウ・アーセナル」の幹部2人、国際企業の代表1人の5人が関わっていた。

 ウクライナのメディア「ウクライナ・プラウダ」は、匿名の司法当局の消息筋の話を引用して、被告人には国防省の軍事技術政策局長および軍備・軍事装備開発局長を務めたオレクサンドル・リエウ氏と現局長であるトーマス・ナクル氏、リビウ・アーセナルの創立者兼最高経営者のユーリ・ズビトニエウ氏が含まれていると報じた。

 これらの人物は刑法191条5項(組織化した団体の職権乱用を通じた財産流用および横領)に違反した疑いで当局によって起訴された。有罪と確定すれば、最大懲役12年の刑を受けうる。

 事件の始まりは、2022年8月当時、国防省がリビウ・アーセナルと3960万ドル分の砲弾調達契約を結んだ当時に遡る。国防省は同社に全費用を支払った。同社は資金を海外にある別の業者に送り、この業者がウクライナに砲弾を供給することになっていた。だが、砲弾は全く調達されず、砲弾購入資金の一部はバルカン半島の銀行の口座に流れた。残りの金額は同社のキーウ内の銀行口座に残った。当局は現在、この資金を押収した状態であり、再び国防予算に還収する予定だ。

ウクライナ保安局(SBU)が、国防省高官と防衛産業会社が関わった横領事件を取り調べている=SBU提供//ハンギョレ新聞社

 今回の横領事件は、ウクライナ政府が欧州連合(EU)および北大西洋条約機構(NATO)に迅速に加入するため、政治、社会全般に蔓延している腐敗を厳重に取り締まる中で発覚した。ゼレンスキー大統領と参謀陣は最近、収賄事件などにかかわった政府高官を解任するなど、腐敗清算を積極的に進めている。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1126346.html韓国語原文入力:2024-01-29 16:59
訳C.M

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