パレスチナのガザ地区の民間人被害が続出するイスラエル・ハマス戦争の停戦を求め、英国ロンドンで最大規模の30万人が参加したデモが開かれた。フランスのパリやベルギーのブリュッセルなど、欧州各地でも市民が停戦を訴えた。
11日(現地時間)、ロンドンでは、イスラエル・ハマス戦争の停戦を訴えパレスチナ住民との連帯を掲げる平和行進に数十万人が参加した。BBC放送などが報道した。英国警察は全国から集まった30万人が参加したと推算する一方、主催側は参加者が80万人に迫るとし、英国史上最大規模のデモだと主張した。
同日の行進は、第1次世界大戦終戦日を迎え、戦没者を追悼する英国の顕忠日(Remembrance day)に合わせて行われた。先月7日のハマス・イスラエル戦争勃発後、ロンドンでは毎週土曜日に停戦を求める行進が行われてきたが、この日最大規模のデモが行われた。これまで最大規模は10万人だった。
全国からバスや電車で集まった参加者たちは、ハイドパークからスタートし、テムズ川を渡って米国大使館まで行進した。参加者たちはパレスチナの旗を振って「封鎖をやめよ」、「即時停戦」と書かれた横断幕を広げた。先頭から最後尾までの長さは4キロメートルに達した。
だが、この日の行進に反対する極右勢力とイスラム嫌悪主義者、フーリガンたちが、朝から戦没者慰霊碑の前で警察と衝突するなど暴力沙汰を起こした。彼らは平和行進に出たデモ隊に奇襲を試み、警察と衝突した。警察はこの日、暴力沙汰で警察官9人が負傷したと発表し、暴力を振るった極右活動家など126人を逮捕した。
リシ・スナク首相内閣の主要人物が最近、イスラエルのガザ地区攻撃に抗議する集会に否定的な意見を示したことが、極右勢力の挑発を煽ったという指摘も出ている。スエラ・ブレイバーマン内務長官は8日「タイムズ・オブ・ロンドン」に寄稿した文で、警察が親パレスチナ集会を禁止しない偏向した警察力を執行していると非難した。特に、ここのところ週末ごとに開かれている集会が平和的だったにもかかわらず、「嫌悪行進者」や「イスラム主義者」、「暴力団」などと表現し、参加者を非難した。ブレイバーマン氏はインド系移民者の家庭出身であるにもかかわらず、移民やマイノリティに極めて否定的な態度を示してきた人物だ。
ブレイバーマン氏に対する非難世論が高まると、英国首相室は寄稿文が掲載された状況を調査していると明らかにした。政権保守党の議員たちもブレイバーマン氏の辞任要求に加勢している。政府のある高官はガーディアン紙に、スナク首相も解任を検討していると伝えた。
11日、欧州の他の各地でも停戦を求めるデモが行われた。フランスのパリでは「ガザでの虐殺を止めろ」というスローガンのもと、数千人が集まってデモを行った。マルセイユ、トゥールーズ、レン、ボルドーなどフランスの各都市でもパレスチナ支持デモが開かれた。ベルギーのブリュッセルでは、2万人余りが集まってデモを行った。
一方、この日サウジアラビア、イラン、トルコなどのイスラム国家の指導者らは、サウジアラビアのリヤドでイスラム協力機構(OIC)とアラブ連盟(AL)合同首脳会議を開き、停戦を求めるとともに、イスラエルを批判した。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は「パレスチナ住民に犯している犯罪の責任はイスラエル占領当局にある」と述べた。イランのエブラヒム・ライシ大統領はイスラエル軍をテロ組織に指定すべきだと主張し、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領はイスラエルの核兵器保有を国際原子力機関(IAEA)が調査すべきだと主張した。