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中国が拒否した日本産ホタテ、米国が買い取り在日米軍に供給へ

登録:2023-11-01 06:17 修正:2023-11-01 07:06
8月30日、福島産水産物などで作られた昼食を食べる日本の岸田文雄首相=首相官邸のフェイスブックよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 日本の福島第一原発汚染水の海洋放出に反発し、中国政府がすべての日本産水産物の輸入を停止した中、米政府が日本産水産物を大量購入することにした。米国は日本産ホタテから買い取り、在日米軍に供給することにした。

 30日(現地時間)、米国のラーム・エマニュエル駐日大使はロイター通信とのインタビューで、「米軍と日本水産業協同組合が長期契約を結ぶ計画」だとし、「まずホタテを皮切りに、他の水産物も購入を検討する」と述べた。

宮下一郎農林水産相(右)が4日、マレーシアのスーパーモデル、アンバー・チアさん(左)とともにマレーシアのクアラルンプールにあるスーパーを訪れ、日本産ホタテの安全性と味を広報している/AP・聯合ニュース

 在日米軍が日本産水産物を購入して食べるのは今回が初めて。中国政府が福島原発汚染水の海洋放流に反発し、日本産水産物に対する輸入停止措置を下したことを受け、支援に乗り出したものと分析される。エマニュエル大使は「これまで米軍は日本現地の水産物を購入したことがなかった」とし、「このような試みは中国が『経済戦争』の一部だと主張した日本産水産物の輸入停止措置に伴う被害の軽減に寄与するため」だと説明した。

 まず、在日米軍は昨年、日本が中国に最も多く輸出した水産物の一つであるホタテ1トンを購入する方針だ。昨年、中国が輸入した日本産ホタテは10万トンを超えた。

 エマニュエル大使は「海軍だけでなく軍事基地の商店や飲食店などで販売する」とし、「水産物の種類を拡大していく」と説明した。

東京電力福島第一原発の敷地に保管中の汚染水タンクの様子/AP・聯合ニュース

 これに先立ち、中国政府は、日本が汚染水の海洋放出を始めた直後、すべての日本産水産物の輸入を停止した。中国の税関当局である海関総署は8月24日、「日本の福島核汚染水の放出が食品の安全にもたらす放射性汚染の危険を防止し、中国の消費者の健康と輸入食品の安全性を守るため、今日をもって日本が原産地である水産物の輸入を全面停止する」と発表した。

 中国は日本の福島県を含む日本の10地域の水産物の輸入を停止していたが、汚染水の放出が始まったことを受け、輸入停止対象を日本全域に拡大した。

 中国の輸入停止措置で日本の水産業界は大きな打撃を受けた。日本の水産白書によると、中国は昨年、日本の水産物輸出総額3873億円のうち最も多い22.5%を占めているからだ。

 特にホタテの輸出額は911億円で、日本の水産物輸出のうち最も多かった。ホタテは殻つきのまま中国に輸出され、現地で加工した後、米国などに輸出される場合が多かったが、中国への販路が閉ざされたのだ。

 これに対し北海道新聞は、道内有数のホタテの産地として知られる北海道渡島管内森町で、中国への輸出の道が閉ざされたホタテ50万食分を全国の学校給食用に無償提供する方針を固めたと、先月27日付で報じた。これ以上ホタテを保管する場所がない状況で、在庫をなくすために「無償提供」という方法を取ったものとみられる。

チョ・ユニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1114298.html韓国語原文入力:2023-11-0100:49
訳H.J

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