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ロシア「戦争継続を」…兵士数万人失っても参戦世論強まる

登録:2023-02-24 07:03 修正:2023-02-24 07:21
ロシアの「祖国防衛の日」を記念して22日にモスクワ近郊のルジニキで開かれた野外イベントに人々が集まっている/タス・聯合ニュース

 ウクライナ戦争開戦1年を控えたロシアでは、戦争を支持する雰囲気がよりいっそう強まっていると、英国の日刊紙「ガーディアン」が22日報道した。

 同紙の報道によると、ロシアの参戦軍人家族の相当数は、ロシア政府が「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナ侵攻を、ロシアを西側国家から守るための戦争だと擁護し、「参戦しないのは恥ずべきこと」だと考えているという。ロシアではこの1年間で軍人数万人が死亡したが、むしろ戦争擁護の世論はさらに強化された。ロシアの主要都市では反戦デモもほとんどみられない。参戦した軍人と家族が集まった団体のチャットルームでは、戦闘手当ての未支給などロシア軍当局に対する不満はみられるが、戦争を公の場で反対するケースは珍しいという。

 今年1月1日、ウクライナ軍がロシア軍が兵舎として用いていたウクライナ東部ドネツク州マキイウカの職業学校をHIMARS(高機動ロケット砲システム)で砲撃し、ロシア軍人が少なくとも100人亡くなることがあった。死亡したロシア軍将兵の大半は、昨年9月にウラジーミル・プーチン大統領の動員令で徴集された人々で、ロシア西部のサマラ州の出身だった。

 サマラ州出身の20代初めの徴集兵のダニラさんは、新年が明ける数分前に故郷の友達にメッセージを送った。その数分後に砲撃で命を失い、遺体は50日後に崩れた建物の残骸の下で発見された。溶接工の仕事をしていたダニラさんは、動員令が下されると「ロシアが占領されるのを放っておけない、すぐに行く」として喜んで入隊したと、ダニラさんの友人は同紙に語った。

 サマラ郊外周辺の村で暮らす軍人家族も、ウクライナ戦争を支持し、西側国家から祖国を守らなければならないと語ったと報じられた。昨年10月に徴集され11月にウクライナ東部で犠牲となったアレクサンドル大尉の家族のナターリャさんは自宅で「アレクサンドルは参戦しなければ不名誉だと言い、ひとえに祖国を守ることを望んでいた」と語った。ナターリャさんは「彼は愛国的な方法で育てられた軍人らしく祖国を守ることを望んだ」と語った。

 サマラ地域の陸軍配偶者の集いを主導するエカテリーナ・コロトフキナさんは「私たちは分裂されることはない。敵の計画とは違い、砲撃以降、私たちはむしろ団結した」として、「国民は一つになり、私たちは互いに助けあっている」と語った。また、別のロシア大尉の妻のアーニャさんも「周りに戦争に反対する知人はいるか」という取材団の質問に「いない」と言い切った。彼女は「近くに大切な友達がいるとしよう。その友達が戦争について私と違う見解を持っていることに気付くのはタブー」だと説明した。さらに彼女は「私がそのようなタブーを冒さなければならないような友人は周りにはいない。そのことに感謝している」と語った。

キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1080910.html韓国語原文入力:2023-02-24 02:16
訳M.S

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