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[独自]「ウクライナ戦争がどう終わるかはあと数週間~数カ月で示される」(1)

登録:2023-02-22 03:32 修正:2023-02-22 08:48
欧州を変えたウクライナ戦争1年 
エストニアのハンノ・ペブクル国防相インタビュー
13日(現地時間)、エストニアのペブクル国防相がタリンにあるエストニア国防省でハンギョレとのインタビューを終えた後、写真撮影に応じている=タリン/ノ・ジウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 人口133万人。国土面積4万5228平方キロメートル。エストニアはバルト3国の中でも人口が最も少なく、面積も最小の国だ。しかし、国内総生産(GDP)比で世界で最も多くの支援をウクライナに対して行っている。ロシアが昨年2月24日にウクライナに侵攻するその6日前に、最初に米国製の対戦車ミサイルなどの兵器を送ってもいる。エストニア議会は北大西洋条約機構(NATO)加盟国の中で隣国フィンランドとスウェーデンの加盟申請を最も早く批准した。

 最も小さいが、ロシアとの長い国境を持つエストニアは、この戦争をどのように見ているのだろうか。13日(現地時間)、エストニアの首都タリンでインタビューに応じたハンノ・ペブクル国防相は、これからの「数週間、数カ月」以内にこの戦争がどのように終わるか示されるだろうとしつつ、「我々の最大の敵は時間だ。ウクライナが勝利できるよう支援しなければならない」と述べた。

-昨年のロシアの侵攻は予想していたか。

 「ロシアは2014年3月にクリミア半島、ドンバスの一部地域に侵攻し、占領した。昨年の戦争は特に驚くべきものではなかった。我々は情報を収集してきたため、ロシアがどのように行動するかが分かっていた。戦争を望んでいるわけではなかったが、起こってしまったし、その結果の代価を支払っている」

-昨年のロシアによる侵攻後、ロシアの脅威をより身近に感じるようになったか。

 「なった。特にここ数年~数十年の状況を見れば、西側とNATOに対するロシアの行動は常に攻撃的だった。ロシアは2008年にジョージア、2014年にクリミア半島とウクライナ東部に侵攻し、昨年はウクライナに全面侵攻した。我々は50年以上にわたり欧州で戦争が起こらないよう管理してきたにもかかわらず、ロシアは残念ながら欧州で大規模な戦争を始めた。

 昨年の戦争勃発以降、エストニアをはじめとするNATOの全ての加盟国は、ロシアを同盟の最大の脅威と考えている。ロシアは非常に長きにわたって軍事力を強化してきた。だが欧州は(第2次世界大戦後の)冷戦の間に国防費支出を(GDPの)約3.5~4%程度にまで下げ、それが30年あまり続いた。(冷戦後の1990年代に入ってからは)2%を割り込んだ。一部の国は1%も支出していない。大きな空白が生じたのだ。欧州の全ての国はそれぞれの軍を再建し、脅威に対処すべき重要な時期に来ている」

-安保脅威をなくすために、どのような努力をしているか。

 「まず、昨年戦争が激化する前からエストニアはウクライナに米国製の対戦車ミサイル『ジャベリン』を含む1回目の軍事援助パッケージを送っていた(最初のジャベリンは戦争勃発直前の2022年2月18日にウクライナに到着した)。次に、エストニアは(GDPに対する)比率でみればウクライナに対する最大の軍事支援供与国だ。三つ目に、我々の安保のためにもかなりの投資をしている。新型兵器システムや対艦ロケットなどを購入したり、領土防衛軍の規模を2倍にしたりするなど、力量を上げている。今年の国防費支出は(対GDP比)2.8%、来年は3.2%にまで引き上げる計画だ」

-昨年2月の戦争勃発直前、ロシアは軍事訓練を大義名分としてウクライナ近隣地域の兵力を増強した。これに対抗して英国はエストニアに追加の戦闘団を配置するなど、安保態勢を強化した。

 「あれは一時的な対策だった。私の仲間のベン・ウォレス英国防相と、本年に向けた明確なロードマップに改めて合意した。今年1月には(英国のヘリコプター)チヌークがやって来ており、3月にはスプリング・ストーム(NATOの軍事演習)のためにさらに部隊がやって来る。空中偵察のために(英国のタイフーン)戦闘機もやって来る予定だ。英国はエストニアに配備されている強化された「前方駐留戦闘団(EFP)」で常に先導的な役割を果たしてきた。彼らは我々自らの師団作りも手伝ってくれるだろう。

 米軍も配備される。すでに約300人にのぼる米軍が(エストニアに)駐留している。100人以上からなる高機動ロケット砲システム(HIMARS)部隊も来ている。これらをすべて合わせると、我々は現在、1年前よりも大きな火力を持っている。戦車とともにデンマーク軍やフランス軍もここにいる。我々自身も軍へ投資する準備ができていなければならないし、このような国際的協力も続けていくだろう」(2に続く)

タリン/ノ・ジウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1080547.html韓国語原文入力:2023-02-21 11:00
訳D.K

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