マグニチュード7.8の強い地震がトルコとシリアを襲ってから4日目に入り、死者が両国合わせて2万人を超えた。生存者の救助に決定的な「72時間の壁」(いわゆるゴールデンタイム)が過ぎたが、一人でも多く救おうとする必死の努力が続いている。国連の救援物資を積んだトラックがシリア北部の反政府軍統制地域に同日初めて入り、世界保健機関(WHO)事務局長と国連事務次長が直接地震被害現場に入る予定だ。
AP通信は、9日(現地時間)深夜までにトルコで1万7600人、シリアで3300人の死者が確認され、今回の地震による死者が2万900人を超えたと報じた。これは24時間で8千人が増えたものだ。死者が2万人を超え、2011年の東日本大震災による死亡者(1万8500人)規模を上回った。
最初の地震が発生した6日午前4時頃から72時間が過ぎるにつれ、生存者救助の希望も急激に減っている。専門家たちは、72時間が経過すると、建物の残骸の中に埋められている人たちが救助される可能性も速いスピードで低下すると指摘してきた。これに伴い、救助隊員たちは一人でも多く助け出すため、切迫して捜索作業を行ったと、同通信が報道した。トルコの代表的な地震科学者のオブグン・アフメト氏は、崩壊した建物の下に閉じ込められている人が20万人に達すると推算した。
トルコ南中部の内陸都市アディヤマンでは、住民たちが救助隊員に家族や親戚が閉じ込められている建物の残骸を捜索するよう懇願する姿も目撃された。アメトとだけ名前を明かした男性は「私の兄弟があそこにいるのに、どうやって私だけ家に帰って寝られるのか。彼はまだ生きている」と語った。しかし、救助隊員は生存者がいる可能性が高い地域から捜索するため、住民の捜索要請にすべては応じられない状況が生じている。
奇跡的な救助のニュースも流れた。アンタキヤでは建物の残骸に79時間閉じ込められていた2歳の男の子が無事救助され、アディヤマンでは6カ月の子どもが82時間後に救助されたと、現地メディアが報じた。
シリア政府軍と反政府軍が対峙しており、救助が及ばなかったシリア北部のイドリブ地域に、同日初めて国連の救援物資を積んだトラックが入った。ロイター通信によると、このトラックはトルコ南東部のバブアルハワと国境地帯を経てシリア北部に入ったという。国連のシリア特使イェール・フェデルセン氏は「命を救う支援品が至急必要だ。最も早く、最も効率的なルートを通じて現場に接近しなければならない。住民たちはそれこそすべてが必要な状況だ」と訴えた。トルコ当局は、セキュリティが良好な場合、2日以内に両国間の他の国境通路も開放できると明らかにした。
WHOのテトロス・アダノム事務局長は同日、自身が直接シリアを訪問すると明らかにしており、国連のアントニオ・グテーレス事務総長はトルコとシリアの被害地域に国連の人道主義・緊急救護担当事務次長を派遣し、救援基金の準備に積極的に乗り出すと発表した。