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「半導体戦争」WTOへ…中国、米国提訴し韓国にも連帯呼びかけ

登録:2022-12-15 06:36 修正:2022-12-15 07:31
中国外相、半導体法やインフレ抑制法などを批判 
韓中外相会談で韓国の呼応を要請
/ロイター・聯合ニュース

 米国が2カ月前に発表した先端半導体製造装備とスーパーコンピューター技術などに対する輸出統制措置が世界貿易機関(WTO)の原則違反に当たるとして、中国政府が提訴した。それと共に、半導体など先端産業の「サプライチェーン再編」のために米国政府が相次いで打ち出している市場撹乱行為に韓中が共同対応しなければならないと訴えた。

 中国商務部は12日夜、ホームページに載せた資料を通じて、米国が保護主義的措置を乱用して世界貿易の原則に違反したとし、「我々の懸念を解消し、合法的利益を守るために」提訴を決めたと明らかにした。また、米国の輸出統制は「グローバルサプライチェーンの安定を脅かし、世界経済に混乱をもたらしている」と主張し、「米国はゼロサム的思考をやめ、過ちを正さなければならない」と要求した。

 米国は10月7日、中国の先端半導体技術が兵器能力の高度化につながり、自国の安全保障に害を及ぼしかねず、半導体とコンピューターに関する技術が少数民族などに対する人権侵害に使われる可能性もあるとして、強力な対中国輸出統制に乗り出した。これに伴い、米国企業と米国の源泉技術を使用する企業は、半導体DRAMの場合18ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)以下、NANDフラッシュメモリは128層以上、ロジックチップは14ナノメートル以下の製造装備を中国に販売することが原則的に禁止された。

 今回の提訴は、WTOの紛争解決手続きの一審に当たる紛争処理小委員会(パネル)が、米国が2018年に中国などに課した鉄鋼・アルミニウム製品の高率の関税がWTO協定違反だと9日に判定した直後に行われた。だが、米国貿易代表部(USTR)はこれに対し、「国家安全保障に関するものはWTOの審査対象ではない」として、受け入れ拒否の意思を明らかにした。 米国は半導体装備輸出統制も安全保障に関するものだという立場を示しており、WTOが自国に不利な判定をした場合、受け入れないものとみられる。その上、WTOの紛争解決手続きが定めた最終審を担当する上訴機関は、活動に必要な定足数(最小3人)を満たせず、機能が停止した状態だ。このため、中国が今回の提訴を通じて米国の決定を覆すことは事実上不可能な状況だ。

 こうした中、中国の王毅共産党中央政治局委員兼外交部長は、同日開かれた韓中外相テレビ会談でも、米国の産業政策を強い口調で批判し、韓国の呼応を要請した。中国外交部の発表によると、王部長は同日、パク・チン外交部長官との会談で、「米国はいわゆる『CHIPS法(CHIPS and Science Act)』と『インフレ抑制法』およびWTOの判決拒否で、中国と韓国を含む各国の正当な権益に著しく害を与えている」と強調した。王部長はまた、米国はこれを通じて「国際規則の破壊者であって建設者ではないことを再度証明した」とし、「各国が乗り出してグローバル化に逆行する古い考え方と一方的な横暴に反対し、共同で真の多国間主義を守護し、実践しなければならない」と主張した。韓国外交部も報道資料を出し、両国長官が「サプライチェーンをめぐる意思疎通の拡大、韓中自由貿易協定(FTA)のサービス投資に関する公式交渉の早期再開など、多様な分野で協力していくことにした」と明らかにした。しかし、王部長の米国に対する激しい非難発言は公開しなかった。

 一方、日本とオランダも中国に対する先端半導体製造装備の販売を中止することで米国と原則的に合意したと、「ブルームバーグ通信」が匿名の消息筋の話として報道した。米国政府は、優れた半導体装備・素材技術を保有している日本と、世界唯一の極端紫外線(EUV)露光装備を生産するASMLを有するオランダが参加しなければ、輸出統制の効果が低下するとみて、両国に対する説得を続けてきた。今回の決定を通じて、中国半導体業界は7ナノメートル以下の先端半導体生産のために必ず必要なASMLのEUV露光装備を輸入する道が閉ざされることになり、相当な打撃を受けるものとみられる。

ワシントン・北京/イ・ボニョン、チェ・ヒョンジュン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1071363.html韓国語原文入: 2022-12-13 21:30
訳H.J

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