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円相場、32年ぶりに最安値…1990年「バブル経済崩壊」の入り口水準に

登録:2022-10-15 05:57 修正:2022-10-15 08:13
黒田日銀総裁「利上げは必要ない」
14日、東京外国為替市場では円相場が1ドル=147円台を越えるなど32年ぶりの円安水準を記録した=東京/EPA・聯合ニュース

 円相場が32年ぶりの円安水準を更新した。

 14日、東京外国為替市場では円相場が1ドル=147円台を越えるなど、日本の「バブル経済」が崩壊し始めた頃の1990年8月以来最安値を記録した。13日に発表された米国の消費者物価指数(CPI)上昇率(8.2%)が市場予想を上回る結果が出たことを受け、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げのペースを速めるという見通しが強まり、「円安」の流れに油を注いだのだ。米日の金利差が引き続き広がると予想され、円安の流れがなかなか収まらない様子だ。日本経済新聞は「バブル経済以来となる円安水準は、日本経済の構造的な弱さを象徴する」と診断した。

 日本の鈴木俊一財務相は13日(現地時間)、米ワシントンで主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で「外国為替市場の動向を高い緊張感をもって注視している。過度な変動には適切な対応を取りたい」と市場介入の可能性を再度示した。だが、NHKは市場関係者の話として「日本が単独で介入しても効果は制限されるのではないかという見方も出ている」と報じた。日本政府は先月22日、24年ぶりにドルを売って円を買い入れる外国為替市場介入に乗り出したが、効果は長続きしなかった。

 日銀の黒田東彦総裁が「金融緩和の維持」のメッセージを再び強調したことで、円安の流れを変えることは困難との見通しもある。鈴木財務相と共に記者会見に臨んだ黒田総裁は、日本の消費者物価の上昇率は2.8%水準だが、来年度以降は2%を下回る見通しだとし、物価目標の安定的な実現のために金融緩和を継続すると述べた。さらに「日本経済は米国などに比べると回復のテンポが遅いことも事実で、回復を支援していくことが必要だ。金利を上げられないという意味ではなく、現在の経済・物価に対して最も適切な金融政策や金利を考えると、いま金利を引き上げることは必要ないし適切ではない」と強調した。

 円安にロシアのウクライナ侵攻で原材料価格の上昇などが重なり、家計と企業の負担が大きくなっている。企業同士が売買するモノの価格動向を示す日本の企業物価指数は9月基準で1年前より9.7%上がった116.3を記録し、最高値を更新した。消費者物価指数(生鮮食品を除く)の伸び率も8月は2.8%で、5カ月連続で2%を上回っている。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1062695.html韓国語原文入:2022-10-1414:22
訳H.J

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