中国の著名な保守論客が「理性的な判断が必要だ」とし、現在の中国の新型コロナ防疫政策に対する点検を主張した。
フォロワー数2475万人を有する胡錫進・元環球時報編集長は25日午後、自身の中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」のアカウントに投稿し、「現在、新型コロナは一体どのような状況なのか」としたうえで、「未来志向的に非常に理性的な研究・判断と計算が必要だ」と主張した。
胡元編集長は「先週、バイデンは新型コロナが終息したといい、昨日は香港も保健省の関係者が海外からの入国者に対する隔離をなくすと発表した」としたうえで、「中国は唯一選択が残された国家であるにもかかわらず、私たちは防疫の経済的な対価を払っており、多くの人が繰り返される『情態管理』(封鎖)により、ますます忍耐心を失っている」と書いた。
胡元編集長はさらに、全社会的な議論と討論を主張した。胡氏は「専門家が発言し国家は全面的な研究を行い、新型コロナ政策を緩めることと引き締めることにどのような長所・短所があるのか、透明に公開しなければならない」と書いた。
中国で最も影響力が強い元職のジャーナリストである胡氏が、中国当局のゼロコロナ政策に対して点検を要求するのは異例のことだ。胡氏は昨年までの16年間、共産党機関紙「人民日報」の姉妹紙「環球時報」の編集長を務め、中国共産党の論理を国外に伝えてきて、退職後にも微博などで活発に文章を書いている。
該当の投稿は、投稿後17時間が経過した26日午後2時現在、7170個のコメントが書かれ、4万9000個の「いいね」がつくなど、中国のネットユーザーの注目を集めている。ネットユーザーらは「ウイルスではなく飢え死にする」「私たちに気を遣ったようだ。生活がますます難しくなる」などのコメントで支持の意向を表明したが、一部は「国家を信じよう」「米国を信じることはできない」などの反応をみせた。
最近中国では、新型コロナの接触者を載せていたバスが渓谷に落ちて27人が死亡する事件をきっかけに、厳格な新型コロナ政策に対する不満が高まっている。過剰なゼロコロナ政策によって、多くの部門で被害が発生しているということだ。