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「韓国の広さに匹敵する領土を失った…ウクライナがどうして諦められようか」(2)

登録:2022-08-24 03:12 修正:2022-08-24 08:12
ウクライナのドミトロ・ポノマレンコ駐韓大使が18日午後、ソウル龍山区の駐韓ウクライナ大使館の執務室で本紙のインタビューに応じている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

(1の続き)

-再建事業で最も急がれることは何か。

 ひとまず、ロシア軍によって占領されたり深刻な攻撃を受けたりしているウクライナ東部などの地域から西部に避難してきた数百万人の(国内)難民を収容する施設が早急に必要だ。冬が来る前に彼らが過ごす場所を用意しなければならない。またウクライナが取り戻した地域では学校や道路、橋などの市民が毎日利用する社会資本を早く復旧しなければならない。

-再建にはどれほど時間がかかりそうか。

 戦争が終わって被害規模の全容が評価できるようになるまでは、再建にかかる時間を予測するのは難しい。ただしウクライナは都市再建と同時に経済回復に向けて、年間国内総生産(GDP)成長率7%以上▽経済複雑性指数(ECI)上位25位▽世界銀行の人的資本指数上位25位▽1990年を基準年として二酸化炭素排出量の65%削減、などの「国家復興計画」を立てている。緊急性に応じて上下水道の修理、橋の再建、戦後の欧州連合基準に則ったインフラ施設の復旧、産業構造の転換を行う計画だが、今年は少なくとも600~650億ドルが必要だ。

-先日、穀物輸出が始まった。現在、ウクライナにはどれほどの穀物が備蓄されているのか。

 輸出用穀物の在庫は2千万トンに達する。米農務省によると、ウクライナは全世界の小麦輸出の10%を占める。その他にもトウモロコシが14%、大麦が17%、ひまわり油は47%だ。途方もない量だ。これらの穀物はロシアのせいでウクライナ国内と港に積んだままになっている。ロシアは国際的な飢饉を、自分たちの利益を追求し、新植民地外交政策を追求するためのテコとして利用している。

-ウクライナの農民は戦争の最中にもかかわらず営農に努めている。ウクライナ農業は世界の食糧事情にとっても重要な問題だ。現在の農業生産状況はどうなっているか。また最大の困難は何か。

 現在、ウクライナ農民は困難な時を過ごしている。ロシアはウクライナの港湾を封鎖したり、農業インフラを故意に破壊したりして、世界の食糧危機を深刻化させている。戦争とロシアによる一部地域の占領や砲撃などで、ウクライナの今年の農産物輸出は前年に比べてはるかに減少すると見られる。それでも数カ月以内に収穫量は最大で7千万トンになると予想している。我々は、できるだけ早い時期に黒海を通じて穀物輸出を行うという意志を強く持っている。いかなる手段によってもこれを邪魔したり先送りしたりはしない。

-ウクライナの冬は非常に厳しいと思われる。熾烈な戦闘が繰り広げられている東南部地域にまだ残っている市民には電気、水道の供給がまともに行われていないと認識している。

 政府は破壊された都市の施設を復旧し、市民が悪条件の中で冬を過ごさなくて済むように最善を尽くしている。

 越冬の問題はウクライナだけでなく、他の欧州諸国も直面すると見られる。ガス料金は上がり、電力は不足するだろう。ロシアはエネルギー供給によってこれらの国を政治的に脅迫している。欧州諸国は、ロシアとの長年の関係を絶った方がよいという話をしている。欧州と全世界の国々がエネルギーの供給元を変更したり、エネルギー体系を太陽熱、風力、原子力などへと遠からず転換するだろうと考えている。

 ウクライナでは産業生産システムが崩壊したことで電力生産量が余っているため不足することはなさそうに思えるが、我々の原発の生産する電気をロシアが遮断する可能性があるため危険だ。

ウクライナのドミトロ・ポノマレンコ駐韓大使が18日午後、ソウル龍山区の駐韓ウクライナ大使館の執務室で本紙のインタビューに応じている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

-戦争が長期化していることで、東部地域が完全に廃墟となりつつある。交渉の可能性はあるのか。

 交渉について考えるには、ロシアは状況を2月24日より前に戻さなければならない、というのがウクライナ政府の公式の立場だ。政府は、現時点では交渉を受け入れることはできない。ウクライナ市民の89%は、戦争は国際的に認められた国境によって、ウクライナ領土の完全な解放によって終わるべきだと信じている。例えば、現在ロシアの占領下にあるマリウポリでは、数万人の市民がロシア軍によって殺害された。あの町の市民がどうしてロシアの支配を受け入れられようか。ロシア軍の占領地域の市民は激しい抵抗を続けている。死と破壊、恐怖ばかりをもたらすいわゆる「ロシア世界」は受け入れない。政府は目標を達成するまで歩みを止めないだろう。休戦や非武装化は適切ではない。我々はもう一つの「凍結された対立」を作り出したり、次の侵略を準備したりしようとしているロシアに休みを与えたくはない。我々が提示した条件で交渉できるほどロシアが弱体化するまで戦うつもりだ。

22日、ウクライナのオデーサ。女性たちが赤ん坊と共に防空壕に避難している/EPA・聯合ニュース

-ウクライナ市民の世論はどうか。時間が経つにつれ、市民は国の全域で人々が死んでいくことに疲れていっているのではないか。

 現在の状況は市民にとって本当に「ジレンマ」だ。戦争が続く限り、さらに多くの死傷者が出るだろう。しかし、だからといって譲歩したり交渉したりすることはできない。現在までにロシア軍によって奪われた領土(全領土の21%)は、韓国の領土に匹敵する大きさがある。どうして諦められよう。彼らはここでとどまることなく攻め込み続けるだろう。(戦争をやめれば)準備万端ととのえて、さらに前進を繰り返すだろう。これこそまさに、ゼレンスキー大統領がロシアを少なくとも2月24日以前の時点にまで退けようとしている理由だ。我々が妥協しようとすれば、彼らにとっては止まる理由がない。最初はウクライナの半分、その次はもう半分を占領し、ソビエト連邦が勢力圏にしていた東欧へと向かうだろう。第2次世界大戦でナチスドイツが完全に敗北してはじめて平和プロセスが始まったように、ロシアが完全に敗北してはじめて戦争は止められる。今この時点でやめれれば、1~3年後にはまた別の対立が発生するだろう。(了)

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1055828.html韓国語原文入力:2022-08-23 13:11
訳D.K

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