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中国、資金不足で建築中断のマンション…「ローン返済拒否」して住む人々

登録:2022-07-25 11:02 修正:2022-07-30 09:45
建築中断されたマンション集合地、中国全域に200~300カ所 
分譲された被害者ら、ローン返済拒否運動に乗り出し 
11兆円台の規模…当局「銀行、建設会社を支援せよ」
15日、中国・北京の建設現場で労働者が働いている=北京/ロイター・聯合ニュース

 中国で景気低迷と新型コロナ事態などの余波でマンション建築が中断され、これらの分譲マンションの入居予定者たちが銀行ローンを返済しないという事例が急増している。中国当局は銀行に建設会社への融資拡大を促すなど、不動産市場が危機に陥らないよう警戒している。

 18日、中国のソーシャルメディア「抖音(ドウイン)」などを見ると、建築が中断されたマンション集合地で一人で暮らす人々の映像が数多く確認できた。中国の人々はこのような家を「未完成の建物」という意味の「爛尾楼」と呼ぶ。電気や水道などが入らず、外装工事が終わっていないセメントの家で、ベッド、布団、ガスバーナー、飲料水など最小限の生活必需品だけを備えて生活しているのだ。全財産を注ぎ込んで、手付金とローンも払ってきたが、建設会社が資金難に陥り工事中断が長期化し、やむを得ずここに来て生活してる人々だ。

 中国でマンション工事中断により被害を受けた庶民の事例は以前にもあったが、最近はこのような問題が累積し、被害者が共同対応にまで乗り出し、問題が大きくなっている。先月、江西省のあるマンション建設団地の被害者たちが、問題解決を要求し住宅担保ローンの返済を集団で拒否すると、中国全域で同じ問題を抱えている人々が同調し、ローンの返済拒否運動が広がっている。

 公式の統計はないが、分譲を受けた人々がローンの返済を拒否する建設現場は、江西省、河南省、湖南省、湖北省、広西省、山西省など中国全域で200~300カ所にのぼるという。シティ銀行は最近、「爛尾楼」問題で中国の住宅担保ローン全体の1.4%に当たる5610億元(約11兆3千億円)規模の不良債権が発生する可能性があると推定した。不良債権が1兆元(約20兆円)以上である可能性もあるという報道も出ている。ただし、工商銀行など10行余りの中国の国有銀行は、14日に声明を出し、「不良担保貸付は統制可能な範囲にある」として火消しに乗り出した。

 ローンの返済拒否までは行かなくとも、建築が中断されたマンションははるかに多い。中国の経済メディア「第一財経」は、中国で建築が中断されたマンションなどの建物面積は計500平方キロメートルで、マンション建築全体面積9700平方キロメートルの5%に達すると伝えた。これは韓国の光州広域市の面積と同じくらいだ。

 中国当局は銀行に対応を注文した。銀行保険監督管理委員会は17日、都市部の銀行に不動産プロジェクトへの融資を拡大し、建設会社への資金調達を円滑に行うよう求めた。マンション工事中断問題を解決し、住宅担保ローンの返済拒否問題を防ぎ、銀行が破産につながらないようにするということだ。

 不動産景気の低迷とコロナ封鎖などの影響で、中国の今年第2四半期の国内総生産(GDP)成長率は0.4%に止まった。市場の予想値1%を大きく下回るもので、コロナ禍が始まった2020年第1四半期の-6.8%成長以来の最低値だ。第1~2四半期を合わせた今年上半期の中国の経済成長率は、2.5%と集計された。中国当局が提示した今年の経済成長率の目標値5.5%の半分にも及ばない。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1051386.html韓国語原文入力:2022-07-19 02:32
訳C.M

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