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香港メディア、また廃刊…1年間ですでに4件目

登録:2022-06-12 20:35 修正:2022-06-13 01:02
探査メディア「ファクトワイヤー」、10日「お別れ告げる時」発表 
蘋果日報・立場新聞・シチズンニュースに続き
香港の代表的な反中国報道機関である蘋果日報の新聞の束が2020年8月11日印刷所に積まれている。この新聞は、前日に社主のジミー・ライ氏が香港国家保安法違反容疑で逮捕される場面を1面に載せた。蘋果日報は2021年6月24日に結局廃刊となった=香港/AP・聯合ニュース

 香港の探査専門メディアである「ファクトワイヤー(FactWire、伝真社)」が10日、運営を中止した。「蘋果日報(アップル・デイリー)」「立場新聞(スタンド・ニュース)」「シチズンニュース」に続き、最近1年間で4件目の香港メディアの廃刊だ。

 「ファクトワイヤー」はこの日、「最近、メディア環境が大きく変化し、継続できる余地があるのかを繰り返し悩んできたが、常に同じ結論に到達した。私たちの核心の価値と信念を堅く守り、常に事実を報道しなければならないということだ」とし、「しかし、すべてのことには期限があり、すべての目的には時がある。ついにお別れを告げなければならない時だ」と明らかにした。

 「ファクトワイヤー」は、廃刊に至ったさらに具体的な理由を明らかにはしていない。また別の香港民主メディアである「香港フリープレス」は、「ファクトワイヤーの解散理由は不明だ」としつつも「(ファクトワイヤーが)次期行政長官に当選したジョン・リー(李家超)氏の息子が中国の事業とつながっていると報道してから数週間後、そして購読者情報がハッキングされて約1カ月後に、解散発表がなされた」と伝えた。「ファクトワイヤー」の香港最高官層に関連する報道とハッキング事故などが、解散に影響を及ぼした可能性があるということだ。

香港メディアのファクトワイヤーが読者に運営の中断を知らせている=ファクトワイヤーホームページより//ハンギョレ新聞社

 「ファクトワイヤー」は、2015年にクラウドファンディング方式を通じて3300人が募金した470万香港ドル(約7300万円)を元に設立された。「ファクトワイヤー」は「私たちは、両極化した社会で政府の圧力と企業の利益、政治的自己検閲のためにますます損なわれていくメディア産業が残した重要な格差を埋めていきます」と、その設立動機を明らかにした。

 最近1年間で、香港ではメディアの廃刊が続いている。2020年7月、香港国家安全維持法(国安法)が施行されて以降、言論弾圧で表現の自由が急激に萎縮している現象だ。国安法は、2020年に国家分裂と国家転覆などを防ぐという理由で、中国の国会に当たる全国人民代表大会で可決された。この法律によって2047年まで保証されていた香港と中国の「一国二制度」の約束が事実上反故になったと評されている。

 国安法が導入された1年後の昨年6月、香港の代表的民主派メディア「蘋果日報」が自主的に廃刊した。当時香港警察は、このメディアの編集局を家宅捜索し、幹部を逮捕し資産を凍結する措置を取った。昨年末と今年初めには、「立場新聞」と「シチズンニュース」が当局の捜査などを受ける過程で廃刊した。「立場新聞」の一部の幹部は、扇動の容疑で逮捕され起訴された。

 国境なき記者団(RSF)が先月発表した「2022世界言論の自由指数」で、香港は世界180カ国中の148位を記録した。前年度の順位は80位だった。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1046621.html韓国語原文入力:2022-06-12 18:14
訳J.S

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