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香港、南シナ海、台湾…「香港国安法」以後、米中の軍事的緊張が拡大

登録:2020-07-06 06:37 修正:2020-07-06 08:03
中国が訓練を行う南シナ海に 
米、航空母艦を2隻派遣 
米中同時に異例の「二重空母」作戦 
中国は10回目の台湾防空識別圏侵犯
中国が軍事訓練を行う南シナ海に派遣された米国のニミッツ級空母艦隊。米国は4日、ニミッツおよびロナルド・レーガンの空母2隻を南シナ海に派遣し、軍事訓練を行っていると発表した=米海軍ウェブサイトよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 「香港国家安全維持法」(国安法)制定をめぐる中国と米国の対立が、南シナ海と東シナ海の全域で両国の軍事的緊張へと拡大している。中国と東南アジア各国が領有権を争う南シナ海で中国と米国が同時に軍事訓練を行い、中国は台湾の防空識別圏を再び侵犯した。

 米海軍は4日(現地時間)、声明を通じ、2隻の空母を南シナ海に派遣して軍事訓練を行っていると明らかにした。空母ニミッツおよびロナルド・レーガンが南シナ海に派遣され合同演習を行うという「ウォールストリート・ジャーナル」の報道を、米海軍が確認したのだ。米海軍の報道官は、南シナ海で2隻の空母が「自由で開かれたインド太平洋を支持する」作戦と訓練を展開していると明らかにした。米国が南シナ海に空母2隻を同時に派遣したのは、2014年以来初めてだ。

 ジョージ・ウィコフ海軍少将は「ウォールストリート・ジャーナル」に、「目的は、我々が地域の安保と安定を公約した我々のパートナーと同盟に、曖昧ではない信号を送ることにある」と述べた。中国の脅威を座視しないという意味だ。

 中国は、ベトナムなどと領有権を争っている南シナ海のパラセル諸島(西沙諸島)周辺で1~5日までの5日間、軍事訓練を行うと発表した。米国防総省は3日、これに関連して緊張緩和と地域安定の努力に「反生産的」だと批判している。

 南シナ海で米国は、中国の領有権を否定する「航行の自由」作戦を必要に応じて行ってきた。特に最近は東アジア海域に3隻の空母を展開するなど、香港国安法の波紋が広がった4月以降、戦艦を随時派遣してきた。今回派遣されたニミッツなど2隻の空母は、6月28日以降、フィリピン海で合同作戦を行っていた。これに先立つ6月24日、台湾の南東側で中国の戦闘機が米国の軍事タンカーと哨戒機に接近し、危険な状況を演出したりもした。また、南シナ海を太平洋およびフィリピン海に結びつける台湾のバシー海峡など他の場所でも、両国の戦艦と戦闘機は相互に追撃し、監視してきた。

 米国が空母3隻を東アジア海域に集中させ、中国が軍事訓練を行う南シナ海に2隻の空母を派遣したのは、中国に対する断固たる警告を越え、両国間の軍事合意も無視しうるという信号だと解釈される。両国は、海上と空で軍事衝突を避けるために様々な合意を結んでいる。たとえば、両国が主要な軍事活動を告知することにした協約によれば、中国がすでに軍事訓練を発表したパラセル諸島の近隣に米国は接近してはならない。

 米海軍第7艦隊の報道官のジョー・ケイリー中佐は「フィナンシャル・タイムズ」に「この地域で2隻の空母艦隊が一緒に訓練し作戦する機会を通じ、米海軍だけが指揮できる相当な作戦の柔軟性と能力を全司令官に提供する」と説明した。これに対して台湾の中華戦略学会のチャンジン研究員は「中国の大衆は、昨年の中国の2隻目の空母就役以後、中国が『二重空母』時代に突入したと熱狂している。米海軍は、自分たちだけがそのような二重空母作戦を(実際に)展開できるということを見せることで、そのような自信を揺さぶる目的だ」と診断した。

 米国が南シナ海に2隻の空母の派遣を確認した4日、中国は台湾の防空識別圏を再び侵犯した。台湾空軍司令部は5日、「中国の戦闘機が4日午前、台湾南西部の防空識別圏に入り飛行し、台湾戦闘機が出撃するとすぐに退いた」と発表した。

 今年に入り中国の戦闘機が台湾の防空識別圏を侵犯したのは、先月9日以来、すでに10回目だ。中国は、台湾独立を追求する蔡英文総統が再選に成功し就任した5月20日以降、台湾に対する脅威と圧力を強化している。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/952297.html韓国語原文入力:2020-07-06 02:43
訳M.S

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