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ロシア外交官「祖国が恥ずかしい」…ウクライナ侵攻に抗議し辞任

登録:2022-05-25 09:28 修正:2022-05-25 11:30
ジュネーブ駐在のロシア外交官「侵攻はウクライナ・ロシア両国民に対する犯罪」
今月23日(現地時間)、ロシアに対抗して戦死したウクライナ人を称えるためウクライナの首都キーウに設置された「追悼の壁」の前を老人が通りかかっている=キーウ/AP・聯合ニュース

 スイス・ジュネーブに駐在する軍縮担当のロシア外交官が、ウクライナ侵攻に抗議して辞任した。AP通信などが23日(現地時間)報道した。

 ジュネーブで国連軍縮会議関連の顧問だったロシアの外交官ボリス・ボンダレフ氏(41)は、ジュネーブ駐在ロシア代表部に辞職届を出したと、同日明らかにした。ボンダレフ氏は各国の外交官に送った英文の手紙で、「私の外交官としての20年のキャリアのなかで、外交政策が変わるのを何度も見てきたが、(ロシアのウクライナ侵攻日である)今年2月24日ほど祖国を恥じたことはない」と書いたとAP通信が報じた。

ジュネーブ駐在のロシア外交官ボリス・ボンダレフ氏(41)/AP・聯合ニュース

 同氏は「プーチン大統領のウクライナ侵攻、そして事実上、西側世界全体に対する攻撃は、ウクライナ人に対する犯罪にとどまらず、おそらくロシア国民に対する犯罪でもある」と主張した。また、ロシア人たちの間でアルファベットの「Z」がウクライナ侵攻支持の表示として広がっていることについて、「彼らは繁栄し自由な社会に対する希望を抱いたまま、Zを表示している」とし、ロシア政府は彼らに対しても罪を犯したのだと指摘した。

 同通信によると、ボンダレフ氏の辞任は、ロシア外交官の間でウクライナ侵攻に対する不満を公に示した珍しい事例だという。

 ボンダレフ氏はAP通信との電話インタビューで、ゲンナディ・ガティロフ大使に辞職届を提出した事実を認めた。彼は同通信に向け「ロシア政府が今行っていることに耐えられない」、「公職者として私の役割の責任を果たさなければならない」と述べ、辞任の背景を明らかにした。また、ロシアの官僚からはまだ何の反応もないとし、「モスクワからどんな反応がくるか心配しなければならないだろうか。心配すべきだろう」と付け加えた。

 ボンダレフ氏は同僚の外交官らに戦争反対の意思を示したことがあるとし、「一部は『みんな反対しているが、仕事は続けなければ』という反応を示したし、他の一部は『口にするな、若い外交官に悪影響を及ぼすのはやめろ』という反応だった」と語った。また「ロシアの外交官全員が戦争に賛成しているわけではない。彼らは合理的だが、口をつぐむしかない状況だ」と伝えた。

 ボンダレフ氏は各国の外交官に送った手紙で、ロシアの外務省とセルゲイ・ラブロフ外相についても批判した。ラブロフ外相について「この18年間で、専門的な教育を受けた知識人から、絶えず紛争声明を発し、核兵器で世界を脅かす人物となった」と批判した。また「いま(ロシア)外務省は、外交ではなく戦争を助長し、嘘と憎悪ばかりを煽っている」と指摘した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1044091.html韓国語原文入力:2022-05-24 09:44
訳C.M

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