韓国大統領室は、米国のジョー・バイデン大統領の訪韓中に北朝鮮が核実験を行う可能性は低いものの、ミサイル発射の準備は差し迫っていると判断していると明らかにした。 米国では、北朝鮮が7回目の核実験を準備しているとの懸念があふれている。
国家安保室のキム・テヒョ第1次長は18日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室庁舎で行われた韓米首脳会談に関するブリーフィングで、「北朝鮮が今週末までに核実験を行う可能性は低いと判断する」としつつも、「ただし、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射準備は差し迫っているとみている」と述べた。また「韓米首脳会談の2泊3日の間に大小の挑発が発生した場合は、その性格によって既存の日程を変更してでも、韓米首脳が直ちに韓米連合防衛態勢の指揮システムに入れるよう、プランBを用意してある」と付け加えた。バイデン大統領は20日に韓国に到着し、2泊3日の韓米首脳会談などの日程を消化し、クアッド(Quad)首脳会議などが行われる日本へと向かう。
米国の情報判断も類似している。米国の匿名の当局者は17日、米CNNに対し、最新の情報判断を根拠に「北朝鮮は、ICBMを48~96時間以内に発射する準備をしているとみられる」と述べた。この当局者は、「(北朝鮮が)過去に発射実験を行った際に我々が捕捉したものが、今再び捕捉されている」とし、衛星写真で把握した発射予想場所は平壌(ピョンヤン)の近くだと語った。CNNは、衛星で把握した具体的な内容が何であるかをこの当局者は明らかにしていないとしつつ、一般的には、発射装備の設置▽燃料注入▽車両や人員の移動を発射の兆候とみなすと報じた。発射予想場所とされるのは、北朝鮮が今年に入って数度の弾道ミサイル発射実験を実施した平壌近くの順安(スナン)空港と推定される。
米国では、北朝鮮が7回目の核実験を準備しているとの懸念があふれている。米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は17日、「北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)核実験場の3番坑道周辺で、継続的な行動が観測されている」とし、これについて、新型コロナウイルス感染者が急増しているにもかかわらず、北朝鮮には核実験強行の意思があると推定できると述べた。すでにホワイトハウスも、北朝鮮が今月中に7回目の核実験を行う可能性があるとの懸念を示している。