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「韓国人に悪感情」抱いたウトロ放火犯、初公判で起訴内容認める

登録:2022-05-18 06:24 修正:2022-05-18 06:52
ウトロ地区の住民たち「ヘイトクライム、厳しく処罰すべき」
在日コリアンが多く暮らす京都のウトロ地区の住宅に火をつけた容疑で起訴された有本匠吾被告(22)が、初公判で起訴内容を認めた。ウトロ地区の放火現場の様子=京都/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 在日コリアンが多く暮らす京都のウトロ地区の住宅などに火をつけた容疑で起訴された有本匠吾被告(22)が、初公判で起訴内容を認めた。ウトロ地区の住民たちは「ヘイトクライム(憎悪犯罪)」だとして、厳罰を求めた。

 放火などの罪に問われている有本被告は16日、京都地裁初公判で検察の起訴内容を「認める」と述べた。検察は無職になった有本被告が韓国人に悪感情を抱いており、社会的な注目を集めるため、昨年7月、名古屋市の在日本大韓民国民団(民団)施設に続き、8月にウトロ地区の空き家などに火をつけたと指摘した。この放火により、空き家など7棟が燃え、先月末にオープンした「ウトロ平和祈念館」に展示する予定だった資料約40点が焼失した。人命被害はなかった。有本被告は毎日新聞との面会・書信取材でも「在日コリアンに恐怖を与える狙いがあった」などと、犯行の動機を語った。

 同日、ウトロ地区側の弁護団は記者会見を開き、「何を狙っていたかは明白。人種差別が動機だったと認め量刑を重くしてほしい」と強調した。師岡康子弁護士も毎日新聞とのインタビューで、「在日コリアンは今回の事件を通じて『自分たちも狙われているのではないか』という恐怖を感じたはずだ。差別的な動機の犯罪が社会全体に深刻な影響を及ぼしかねない危険性をはらむもので、厳しく罰せられることをはっきりと示す必要がある」と指摘した。

 ウトロ地区は日本による植民地時代の1941年、日本政府が京都飛行場建設のために朝鮮人を大挙動員して作られた集団居住地だ。終戦後、工事が中断され、賃金未払いや日本政府による財産の持ち出しの制限など様々な事情で故国に帰れなかった朝鮮人たちが貧困と差別の中、互いを頼りに暮らしてきた。ウトロの地区の歴史を示す祈念館が先月30日に開館した。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1043201.html韓国語原文入力:2022-05-1715:45
訳H.J

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