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マリウポリの製鉄所の民間人救助完了…「最悪の惨事」免れる

登録:2022-05-09 09:42 修正:2022-05-09 11:37
7日、300人余りが最後に脱出 
軍人などの救助作業も準備 
ルハンスクの学校爆撃など被害相次ぐ 
ロシア、ヘルソンを永久占領の意志表明
ウクライナ・マリウポリのアゾフスタリ製鉄所から脱出した民間人が今月7日(現地時間)、近隣地域の臨時収容施設からウクライナ統制地域への移動を待っている=ベジメノエ/EPA・聯合ニュース

 ウクライナの民間人が最大で1千人ほどが閉じ込められていた南東部マリウポリの製鉄所から民間人救助が完了し、懸念されていた大規模な民間人被害は免れることになった。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7日(現地時間)夜の演説で、アゾフスタリ製鉄所にいた民間人300人以上が救助されたと明らかにした。ロイター通信などが報じた。同大統領は、これから製鉄所に残っている負傷軍人や医療スタッフに対する第2次救助作業に取り組むと述べた。イリーナ・ベレシチュク副首相もソーシャルメディアを通じて「マリウポリの民間人救出作戦が終了した」と明らかにした。

 アゾフスタリ製鉄所では、ロシア軍のマリウポリ占領作戦に最後まで抵抗する海兵隊とアゾフ大隊の兵士2千人、民間人最大1千人余りが数週間ロシア軍の攻撃を受けてきた。大規模な民間人被害が懸念され、国連と国際赤十字委員会は先月30日から民間人救助作業に取り組み、救助作業は約1週間で終了した。

 マリウポリでは最悪の惨事は免れたが、東部ドンバス地域の各所で交戦が続き、民間人の被害が続いていると米CNNが報じた。ルハンスク州のセルヒ・ハイダイ軍政代表は、交戦が繰り広げられている戦線から11キロメートルほど離れたビロホリフカ地域の学校の建物が爆撃されたと伝えた。ハイダイ代表はこの建物に90人余りが避難中だったとし、「脱出できなかった村の人々はみな学校の地下室に避難していたが、ロシア人たちが(彼らが生き残る)機会を奪った」と主張した。また、これまでに残骸から30人を救助し、救助作業が続いていると明らかにした。

 ウクライナの第2の都市である北部ハルキウでは、ロシア軍が18世紀のウクライナの哲学者フリホーリイ・スコヴォロダ記念博物館を爆撃して破壊したと、州政府が明らかにした。ロシア軍は同日、南部最大の港町オデーサにも6発の巡航ミサイルを発射し、民間人居住地域と空港滑走路が破壊されたと地域政府が発表した。ロシア国防省は、オデーサと近隣の3カ所の軍用飛行場に精密ミサイル攻撃を行い、ウクライナ軍の軍用機を破壊したと主張した。

 9日のロシアの第2次世界大戦戦勝記念日の前後に大規模な空襲が懸念され、首都キーウ(キエフ)市当局は住民に警戒令を下した。キーウ市のビタリ・クリチコ市長は「数日間ウクライナ全域に大規模なミサイル攻撃が加えられる可能性が高い」とし、住民たちに9日まで室内に留まるよう求めた。

 ロシア当局者らは、南部の港町ヘルソンをロシアに併合する意思を初めて明らかにした。ロシア政権与党総会書記であり上院副議長のアンドレイ・トゥルチャク氏は6日、ヘルソンを訪問し「ロシアはここに永遠にとどまり、過去に回帰しないだろう」と述べたと、AFP通信が報じた。ヘルソン州の民軍合同政府副部長のキリル・ストレムゾフ氏も「われわれはロシア連邦の一部となる計画」だと述べたと、ロシア国営の「スプートニク」通信が伝えた。

 ロシアはヘルソンでロシアのルーブル貨の流通を始めるなど、同都市に対するロシア化作業を強化しているが、住民の抵抗が続いていると、英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」が報じた。現地政治家のセルヒ・リバルコ氏は「(抗議する)人々、活動家、徴集年代の若者などが拘禁されている」と伝えた。西側は、ロシアがマリウポリなど南東部地域の各地で住民投票などを動員して併合を試みるものと懸念している。ロシアは東部と南部をつなぐ黒海沿岸地域に対する永久掌握の意志を露骨に示している。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、ロシアとの和平交渉条件として、2月24日のロシア侵攻以前の状態への復帰を掲げたと、英BBC放送が報じた。ゼレンスキー大統領は同日、英シンクタンクのチャタムハウスとのインタビューで、「ロシアとウクライナの戦争を止めるためには、2月23日基準に状況を戻さなければならない」と述べた。このため、両国の交渉はさらに難しくなる見通しだ。

 一方、世界保健機関(WHO)はウクライナ侵攻以降、少なくとも200カ所の医療施設が攻撃されたとし、ロシア軍の戦争犯罪の証拠を収集しているとロイターが伝えた。テドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長とともにキーウを訪問した場で、WHO緊急対応責任者のマイク・ライアン氏は「保健施設に対する攻撃の証拠を収集し続けている。国連と国際刑事裁判所(ICC)などが、これらの攻撃の犯罪意図を評価する調査を行うことになるだろう」と述べた。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1041937.html韓国語原文入力:2022-05-08 14:25
訳C.M

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