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ロシア軍、廃墟と化した占領地マリウポリで「勝利の日」行事を準備

登録:2022-05-06 09:56 修正:2022-05-06 12:55
ロシア、ドンバス地域への進軍は予想より遅い
ロシア軍の装甲車が今月4日、「勝利の日」行事の練習のためモスクワの赤の広場に向かっている=モスクワ/タス・聯合ニュース

 ロシア軍がマリウポリ市街地で建物の残骸を片づける情況が捉えられた。ここでロシアの第2次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日である9日に「勝利の日」行事を行うのではないかとの見通しが示されている。ロシアは米国などがウクライナに大量に支援している補給を遮断するために、西部地域の鉄道など基幹施設を爆撃し、主戦場である東部ドンバス地域ではスラビャンスクなどに向けた進撃を続けた。

 ウクライナ政府は4日(現地時間)、マリウポリを占領したロシア軍が廃墟と化した市街地で、軍事パレードなどをするために準備している姿が観測されていると明らかにした。マリウポリの市長顧問のペトロ・アンドリュシュチェンコ氏は「占領軍が『ドラマ劇場』を含む市内の中心地で建物の残骸を解体し撤去する作業を続けている」とし、「軍事パレードを準備しているようだ」と話した。

 ウクライナの軍事情報当局は、ロシアがマリウポリを、いわゆる「勝利の日」である9日を記念する行事会場にする計画を立てていると述べた。勝利の日は第2次世界大戦を起こしたナチス・ドイツが降伏した日で、ロシアは毎年この日を記念して大規模な行事を行う。

 同日ソーシャルメディアに掲載された動画を見ると、マリウポリの劇場の外に捨てられた車や壊れた建物の残骸の中で、これらを片付ける要員とブルドーザーがコンクリートの山の間を行き来する姿も見える。劇場はロシアの攻撃を受けて壁が燃え、窓が割れ、天井が崩れた状態だ。アンドリュシュチェンコ氏は「片付ける作業に住民も動員された。彼らは労役に参加し、食べ物をもらった」と話した。

 マリウポリで最後に残ったウクライナ軍の拠点であるアゾフスタリ製鉄所に対するロシア軍の攻勢も続いている。ウクライナ軍当局者らは、この日もロシア軍とウクライナ軍の交戦が続いたと話した。アゾフスタリ製鉄所の地下バンカーには、まだ民間人200人余りが残っているという。ロシア国防省は、民間人の脱出を認める人道回廊を近く開放する計画だと明らかにした。マリウポリにはロシア軍兵力が2000人ほど残っており、残りの兵力はドンバス地域の北側を占領するための進撃に乗り出したと、米軍情報当局が明らかにした。

 ウクライナ西部地域では、鉄道や電気施設などインフラ施設に対するロシア軍の空襲が続いた。これは西側の軍需支援を含む軍事装備が東部ドンバス地域に移動するのを防ごうとするロシアの試みだと、ウクライナ情報当局はみている。4日夜にもウクライナ各地でロシア軍の空襲を知らせるサイレンが鳴り響いた。

 ドンバス地域では、ロシア軍とウクライナ軍の激しい駆け引きが行われている。ロシア軍はスラビャンスクとクラマトルスクに攻勢を集中している。数日前にイジュームを占領したロシア軍がドンバスを防御するウクライナ軍を包囲・孤立させるためには、この地域を突破しなければならない。ロシア軍はこの地域を経て南東側にさらに下がり、マリウポリを占領した後、北進する兵力と合流して包囲網を完成するという戦略だ。

 米軍情報当局は、ロシア軍のこのような包囲作戦がまだ効果をあげていないと明らかにした。マリウポリから北進する兵力は、ベリカ・ノボシルカでウクライナ軍の抵抗に阻まれ進撃が止まり、イジュームから南東側に下ってくる兵力は今からスラビャンスク攻略を準備するなど、進軍が遅れている。

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1041689.html韓国語原文入力:2022-05-0514:07
訳C.M

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