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韓日政策協議団、岸田首相と面会…韓日関係、改善なるか

登録:2022-04-27 04:27 修正:2022-04-27 06:43
尹錫悦次期大統領の親書を手渡す 
韓日関係改善のコンセンサスを形成 
本格的な対話チャンネル稼動の見込み
尹錫悦次期大統領が派遣した「韓日政策協議代表団」が26日午前、首相官邸で岸田文雄首相と面会した=韓日政策協議代表団提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が日本に派遣した「韓日政策協議代表団」が、日本の岸田文雄首相と面会した。尹氏と岸田首相が、1965年の修交以来最悪の状態で放置されている韓日関係を改善するという大きな方向に共感したことを示している。

 韓国の政策協議代表団は、26日午前10時40分から約25分間、東京の首相官邸で岸田首相と面会し、韓日関係改善を望む尹氏の親書を手渡し、両国間の懸案問題などについて論議した。団長のチョン・ジンソク国会副議長は、面会後に韓国の記者団に「韓国と日本が、新たな出発点から過去を直視すると同時に、未来志向的な関係を構築しようという(1998年の)『金大中(キム・デジョン)・小渕』宣言の精神を継承し発展させようということに対して、日本の(岸田)首相も共感を示した」と述べた。尹氏の親書にも、そのような内容が記載されていることがわかった。

 岸田首相も面会で韓日関係の改善を強調した。岸田首相は「ルールに基づく国際秩序が、今、脅かされている、こうした現下の国際情勢の中で、日韓、さらには日米韓、こうした戦略的な連携が今ほど必要なときはない、日韓関係の改善は待ったなし」だと述べたと、日本の外務省が明らかにした。中国の浮上、北朝鮮の核開発、ウクライナ戦争などにより、米国が主導してきた自由主義的な国際秩序が大きな挑戦に直面した状況において、すみやかに対立を収拾し協力を強化していくということで、両国の意見がまとまったわけだ。

 両国が関係改善のために相互に努力していくことで同意を得ただけに、来月10日に尹錫悦政権が発足すれば、対話チャンネルが本格稼動するものとみられる。韓日両政府は、比較的取り組みやすく、双方すべての利益になる問題から解決していく考えだ。チョン・ジンソク団長は「両国間の信頼回復が何より重要だ。そのためには、コロナ禍で中断した人的交流の活性化、そのための制度的改善が必要だという意見を伝え、岸田首相も共感を示した」と述べた。尹氏側は、2020年3月以降中断されている韓日相互ビザなし入国と金浦(キンポ)-羽田路線の運航再開問題などを、日本側と協議する予定だ。

 最大の懸案である強制動員被害者に対する賠償判決などについての解決策も、様々な方式で検討されるものとみられる。岸田首相はこの日、強制動員問題を取りあげ、「1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき日韓関係を発展させていく必要があり」、そのためには「懸案の解決が必要である」と述べた。

 日本政府は、1965年の韓日請求権協定と2015年の韓日慰安婦合意で両国間の歴史問題はすでに解決したという立場を固守している。松野博一官房長官もこの日の定例記者会見で「日本の一貫した立場に基づき、新政権と緊密に意思疎通していく」と述べた。関係改善のために、韓国政府は2018年10月の最高裁判決で確定した賠償金の「現金化」問題に対する具体的な解決策を用意しなければならない状況にあるわけだ。

 尹氏の周辺では、韓国と日本の企業などによる「自発的寄付資金」を集め、原告に支給するムン・ヒサン元国会議長の案や、それに先立ち韓国政府が予算を投入し原告に現金を支給する案など、様々な案が検討されていることがわかった。ただし、韓国社会の同意を引き出すには、日本は必ず原告に謝罪のメッセージを伝えなければならないという意見が出ている。

 岸田首相の尹氏の就任式への参加は不透明な状況だ。チョン・ジンソク団長は「特に招請はしなかった。日本が参加の意向を伝えてきたら、誠意をつくす考え」だと述べた。朝日新聞は「7月の参院選を控える首相にとって、韓国への融和姿勢は自民党保守派の批判を招きかねない。首相周辺は『「検討する」とはいうが、やはり難しい』」と報じた。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1040459.html韓国語原文入力:2022-04-27 02:45
訳M.S

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